ナワシロイチゴ Rubus parvifolius
道端の草地に見かけるバラ科キイチゴ属の花。草地や土手に這うようにしていますが、落葉小低木。
咲き始め、花弁が直立したままで上部の隙間から雌しべの柱頭だけが見えています。
多数の雄しべの花糸が花弁の隙間から見えますが、葯は隠されています。
それより少し咲き進んだと思われるこの花では、雄しべが一部見え、葯が開いているように見えます。
最後まで花弁は開くことなく、このあと落ちてしまいます。
全ての花弁が落ちたあと、雄しべの葯も完全に外に出ます。
花弁があった頃は反り返っていた萼裂片が、再び花弁の代わりでもするかのように、開いていました。
これは自家受粉を避ける仕組みのようです。せっかくいい色をしているのだから花弁が開いたら可愛らしいかもなんて人間目線では思いますが、いろいろ都合があるんだろうと思います。
この状態の様子で反った萼までいれて1cm程度。
葉は3出複葉で、縁は欠刻状の重鋸歯。
頂小葉の柄は長く、軟毛の他にトゲもある。側小葉の柄はごく短い。
頂小葉の葉の裏の主脈上にもトゲ。側小葉の裏にはトゲはないようでした。
花序の柄や茎にも軟毛とトゲがあります。
蕾のときにも確認できますが、萼の裏側にも刺が少々。
(2016年7月上旬)
果実は集合果。かなり美味しそうに見え食べることもできますが、甘くもなければ酸っぱくもなく美味しくはありませんでした。でも、美味しいという情報もあるようで、生育状況によって違うのでしょうか。