ヘレボラス オリエンタリス Helleborus orientalis
3~4月頃に咲くキンポウゲ科の常緑植物の花。
一般にクリスマスローズと呼ばれていますが、本来クリスマスローズというのは12月頃から開花するヘレボラス ニゲル H. niger に当てられた呼び名で、対して3~4月頃に咲くこちらの種はレンテンローズと呼ばれることがあります。(レントは英語で四旬節のこと)
花は新葉に先立ち、俯き加減に咲き始めます。
本来この時点では前年の葉が残っているのですが、傷んでいることも多く、園芸的には花期手前で取り除いてしまっていることが多いと思います。
(2017年2月中旬)伸び始めた花芽の様子。
花色はピンクなどもありますが、白~紅紫、或いは暗紫色などで落ち着いた色合いが多い。
花弁に見える部分は萼片で通常5枚。
萼片基部と花糸基部との間付近に見えるものは、花弁にあたるものが変化した蜜腺だそう。
多数の雄しべがあり、中央には雌しべが見えますが、数は不安定(4~7程度)。
萼片裏側基部の様子。
ひとつの花茎には1~3個ほど花が咲く。
苞葉は不規則に裂ける。
花茎の地際には2枚ほどの鱗片が見える。
花芽が出始めた頃、残っていた葉の様子。
葉は革質で、掌状に全裂、あるいはさらに深裂と、変化がある。
縁には鋭い鋸歯が並ぶ。
両面とも無毛。
花に少し遅れて新葉が伸び始めます。
(2017年4月中旬)
果実期になっても萼片が綺麗に残っていることも多いのでいつまでも花が咲いているように見えます。
(2019年4月中旬)
果実は袋果。種からも育てることができ、こぼれ種で育つこともあります。