ユリノキ Liriodendron tulipifera
街路樹や公園樹として植えられるモクレン科の落葉高木。
5月ごろ枝先にチューリップのような花を咲かせます。
もっとよく見たかったのですが、残念ながら花が高い位置にあったので、これが限界の写真。
花被片基部にあるオレンジ色の斑が黄緑色によく映えます。
花内部はモクレン科によく見られる構造で、多数の雌しべが集合して円錐状になったものがあり、それを取り囲むように多数の雄しべがあります。
ユリノキ自体はたくさん植えられているものの、見つけられたの花は先の写真の一輪のみでした。高い位置で撮りづらい上に、ちょっと角度を変えると葉に隠れてしまうので一苦労でした。
要因はわかりませんが、これまで花が咲いた様子を見かけたことは無く、「きっと花をつけていないのだろう」と思っていたので、一輪でも気づけたのはむしろ幸運でした。
まだ葉の無い3月にたまたま見上げたところ、わずか2,3個でしたが残ったままの果実があることに気づき、花を咲かせていたことがわかったので、今シーズンは注意して探してみた次第でした。
(4月中旬)葉が展開し始めた頃の様子。
(4月中旬)
重なり合うようにある托葉の合間合間から若い葉が出ています。
(4月下旬)
やはり高い位置なので分かりやすく撮れなかったのですが、大きな葉の葉柄と重なった位置に、少し青味を帯びた緑色をした長卵形のものが見えます。
花芽ではないかと思うのですが、そこそこの数がこのとき確認できていました。
だとしたら、花はもっと咲いていてもいいはずだったのですが、どうしたことか。
高い位置に咲き、葉が大きいことで隠れやすいことや、花被片のオレンジ色の部分を除けば黄緑色なので、もしかすると実際はもっと花があったのに見落としたのだろうか。それとも一つの花がどれだけ開花し続けるのか分かりませんが、もし短いとしたらタイミングを逃した可能性もあるのかも。
展開し始めの若い葉。
若い葉の表側は開いて確認しませんでしたが、裏側では特に葉脈には星状毛が多く見られ、また、それ以外の部分にも散生しているようです。
成葉一歩手前の葉。
独特の面白い葉の形ですが、逆さにすると半纏に見えることからハンテンボクという別名もあるようです。
葉表は無毛。
葉裏は葉脈に沿って星状毛が見られました。
「葉は無毛」という解説はよく見られるものの、星状毛については特に情報が見当たりませんでした。
完全な成葉では毛が落ちているということかもしれませんが、未確認。
樹皮は縦にひび割れます。ひび割れた部分が白く見えるものが多いようでした。
(3月中旬)残っていた果実。
(3月中旬)
翼果が集まっている集合果で、上部の方の翌果は落ちているようです。