ヒラドツツジ Rhododendron x pulchrum
庭木や、沿道街路樹としてよく植栽されているツツジ科半常緑低木。キリシマ・クルメツツジ系より大きな花を咲かせます。
(※初回投稿時、ヒラドツツジの園芸品種の一つ 'Oomurasaki' の特徴について気になったので、いろいろと書きましたが、ここではヒラドツツジ系全般ということにして、園芸品種名には拘らずに載せることに変更しました。明確な差についての情報がないものをあれこれ考えても、推測の域を出ないので。)
ヒラドツツジ系はケラマツツジ、モチツツジ、キシツツジ、リュウキュウツツジ、ヤマツツジなどの多くの種の自然交雑が起源とされているそうです。
他のつつじ類と同じように花冠は漏斗状で5裂します。園芸品種によっては花冠が全裂のものもあります。
花色も様々ですが、園芸品種によっては枝変わりも見られることがあります。
雄しべは基本的には10本。キリシマ・クルメツツジ系は5本です。
長さは園芸品種により、短いものもあれば、上向きの湾曲が目立つ長めのものもあります。
ヒラドツツジ系の花は中~大輪と大きめなことも特徴。
上側の花冠裂片の長さは、3~4cmくらいまで見られます。
葯は先端が2か所開く。
柱頭は5つに割れ目がある。
花糸には微毛があります。花冠内側にもほぼ突起状に近い微毛のようなものがあります。
たいてい萼片は斜上し、花冠から離れています。
萼片の縁や花柄には斜上する長毛が目立ち、腺毛もあります。
花柄(小花柄)の長さは1.0~1.7cmくらい。
花数は2~4個程度ということが多い。
若い春葉の様子。
両面とも毛が多い。主脈上には褐色の基部が扁平な感じの毛も見える。また、腺毛も疎らにあるようです。
冬越えの夏葉の様子。枝先に集まり偽輪生状になる。
葉は革質で、春葉より小さめ。
葉縁はさきほどの若い春葉の様子とは逆で、内に巻き気味なものがよくみられます。
形状は、長楕円~倒披針形といった様子で、葉先は尖り気味のものもありますが、円頭気味のものも多い。
毛の様子は春葉とあまり変わらない。
夏葉は長いものでは6cmほどでした。いずれもサイズは園芸品種によります。
伸び始めたばかりの若い枝。毛が密生している。
前年枝にも毛が残っていました。
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