カスミザクラ Cerasus leveilleana
同じ場所でのヤマザクラはすでに咲き終えていますが、それと入れ替わるように満開を迎えた遅咲きの桜。
標高が高いところに多いようですが、平野部でも見られます(暖かい地方になるとわかりませんが。)
名前の由来は、遠くから見たとき満開の白い花によって山に霞がかかったかのように見えるというもの。
開花と同時に葉も展開するタイプで、ヤマザクラのように若葉の赤味が強くなく、この写真のように緑色が強めです。オオシマザクラのような感じでもありますが、オオシマザクラは花がだいぶ大きいです。
ただ、それなりに赤味のある若葉のものもあります。
写真は撮り忘れましたが、この写真のものよりもさらに赤味が強く一見するとヤマザクラのような個体もありました。なので、ソメイヨシノが終わるころになってもよく咲いているヤマザクラらしきがあったなら、それはヤマザクラではなくカスミザクラかもしれません。花柄や葉柄の毛の有無の確認が必要ではありますが。
花弁は白色。写真のものは花糸や花弁の基部など紅色を帯びていますが、おそらく開花してしばらく経ったものだろうと思います。
花径は測ったものでは大体2.5~3.0cm程でした。
ヤマザクラと違い、花柄に開出毛があります。毛の量には個体差があるようです。
萼裂片や筒部はよく見ると微毛があったりしますが、ほぼ無毛の様子でした。裂片に鋸歯はない。
萼筒部は、エドヒガンのような明確なものではないですが、わずかに子房のある辺りが太くなっているようでした。
また、特徴かどうかはわかりませんが、萼裂片が花弁に沿わず離れているものが目に付きました。
鱗片などの様子。
まだ若い葉の様子。
倒卵形状で、葉先は尾状に伸びていました。
(実はヤマザクラの記事に昨年の成葉の様子と果実の様子として載せたものは、もしかするとカスミザクラのものだったかもしれないと気づき、現在ヤマザクラの記事内のそれらの写真は下げました。こちらにそれをそのまま載せることも考えましたが、カスミザクラのものとしてスッキリ載せたいのであらためて撮りなおそうと思います。)
鋸歯は単鋸歯と重鋸歯が混じっていました。先端は腺になっています。
両面とも厳密に見たらどうかわかりませんが、無毛でした。(有毛の個体もあるとのこと。)
葉柄上部に蜜腺が2対ありました。葉柄は開出毛が生えています。毛の量などは個体差あるようです。
樹皮は皮目が横長に伸び横縞になっています。
(6月中旬、果実の様子、3枚)
黒く熟した果実。径は7mmくらい。
果柄の毛は残っている。
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