シュンラン Cymbidium goeringii
落葉樹林の林床に育つラン科の花。
古くから園芸植物として栽培されてきた一方、花は食用にもなるそうです。
(2017年3月下旬)
その辺で自生のものを見かけたことは、残念ながらいまのところ一度もありません。
写真のものは何年も前(たぶん10年以上)になぜか庭のタマリュウの間から生えてきたもので、ある意味野生ではありますが、経路が不明なので野生種そのものかどうかはわかりません。とはいえ特に園芸品種のような目立った特徴もないですが。
色合いが緑色がメインの花なので、あまり派手さはありませんが、唇弁は白地に紅紫色の斑点があります。
花径はだいたい4.5cmくらい。
ちなみに花の位置(地表からの高さ)は高いもので16cmほどでした。
唇弁はくるりと外(裏)に巻いています。
ランの仲間特有のずい柱が見えます。
苞葉は膜質。
花茎には苞葉と同じような様子をした鱗片葉が何枚か付いている。
葉は線形で中程で垂れ、縁には細かい鋸歯が見られます。
葉の裏側の様子。
縁はやや内(表側)に反っている。
葉先は尖る。
葉の幅は、目に付いた広めのものを測ってだいたい9mmでした。(少し内に縁が反っているので、実際はもうちょっとあると思います。)
(2018年4月下旬、以下5枚)
若い果実。
子房下位で一見すると花柄が膨らんで果実になったかのように見える。
若い果実の長さ。
6~7cmといったところ。すでにこの時期には熟す頃の果実と同じ長さになっている。
萼片などは枯れていますが、ずい柱はまだ緑色をしていました。
若い果実期の苞葉。
この位置に花があったと思うとすごい変化。
(2018年11月中旬、以下4枚)
晩秋になりようやく熟した果実。
果実(蒴果)は裂け始め、中から種子が出てきています。
こちらは、同時期にはまだ裂開してなかったもう一つの果実。(のちに同じように熟しました。)
種子の様子。
シラスのような白くて細長い形で柔らかそうだし、一般的な種子とは様子が違うようです。
現在(花期)にもそのまま種子を飛ばしたあとの果実が茶色に枯れたまま残っています。中にはまだ一部種子が壁面や底に張り付くように残っていました。