ハナカンナ(カンナ) Canna x generalis
遠目に見ていて花の様子がどうなってるんだろうと以前から気になっていた花。
園芸栽培される花ですが、増えたものを持て余して植えられたものなのか、ひょんなところで咲いていることもあります。
人の背丈ほどから2mクラスまで大きなものもありますが、写真のものは矮性品種と思われ、50cmあるかないかのものです。
あまり大きいものだと花の様子を見るのが大変そうなので、ちょうどいい感じ。
花の様子。
一見、花弁に見えるものは1枚を除いて花弁状になった仮雄しべだそうで、外側に大きめで白っぽいものが3枚と、その内側に黄色にオレンジの斑紋があるものが2枚ありますが、黄色にオレンジの斑紋があるもののうち、写真でいうと、向かって右側のやや小ぶりに見えるものが葯のある雄しべのようです。(花弁状の仮雄しべが4枚と花弁状の雄しべが1枚)
内部にあるのでなかなかうまく撮れませんが、向かって右側のやや小さめの花弁状のものの中程あたりに見える、少し黒っぽい部分が葯。
内部にもう一つ見えるへら状のものは雌しべで、先端が白っぽく見えますが、その部分が柱頭かと思います。
そして、花弁状の仮雄しべの外側で垂れていたりするこの細長いものは内花被片で3枚。
更に花の基部には短いものがありますが、こちらは外花被片で同じく3枚。
遠目に「どういう花をしてるんだろう?」と思っていましたが、なるほど、かなり独特な花の様子でした。
子房の表面は乳頭状突起のようなものにびっしりと覆われています。
未発達だったものなのか、乳頭状突起の塊りのようなものだけのものがありましたが、なんなのかわかりません。
葉の様子。卵形~楕円形。
基部は鞘状に茎を抱いています。
カンナという名は日本語的な響きにも感じますが、属名からきた名前です。
その属名の Canna は「葦」を意味するようです。こうして葉の基部が鞘状になった茎の様子などからかなと思いましたが、葦と同じように茎が中空だからという解説がなされていることが多いようでした。
タイトルは Ylist に合わせてハナカンナとしています。ハナカンナというのは花が目立つカンナということになりますが、ダンドク(C. indica)などの原種に対して付けられた名前かと思われます。
ただ、一般的にはハナカンナとは呼ばずカンナと呼ばれていると思います。