Familiar Flowers 2

身近で咲く花たち。

カワヤナギ Salix miyabeana subsp. gymnolepis

遠目からの様子

川沿いに見られたヤナギ科の落葉樹。

低木状が多いのかもしれませんが、ギリギリ高木と呼ばれる範囲にまではなるらしいです。写真のものは2~3m程度。

 

雄株 雄花花序

3月に撮った花の中でこれはカワヤナギのものだったようです。

葉に先だって花が咲くタイプ。

 

特徴としては雄しべの花糸2本が合着し1本になっているという点があります。

なるほどよく見てみれば、先にあげたオノエヤナギの花糸の太く感じるし、葯も2つ分になっているように見えます。

おなじく同じ場所で見られた、イヌコリヤナギも合着して1本ですが、イヌコリヤナギは基本的には花序が(葉も)対生する特徴があります。

 

雄花の様子

葯は下半分が黄色っぽく、上部が紅色。

苞は先が黒く、苞に白い長毛があり花糸下部も有毛らしいです。

 

雄花花序 長さ

とりあえず測ったもので雄花花序の長さ2.5cmくらい。

 現時点では雌株の雌花花序は見つけられていませんが、一帯全てを見てはいないのでもしかしたらどこかにあるかも。

 

新葉の様子

新葉は外側(裏側)に軽く反るという情報もありますが、あまりそういう感じはありませんでした。

実際、外側に反らないという情報もあるようです(標本をつくるまでに乾燥する過程で反る?)

 

新枝 前年枝

新葉や新枝部分が赤味を帯びたものは見当たらず、白っぽい軟毛が多いため緑白色に見えます。前年枝部分はやや赤味を帯びているようです。

 

新枝の毛

新枝には白い毛がたくさん生えている。

 

葉縁の様子

鋸歯はかなり低いです。中には全縁のような感じにもみえるものも。

 

葉表 若葉

葉裏 若葉

まだ成葉手前の若葉と思いますが、両面とも白い毛が多い。

最終的にはほぼ無毛といった感じになるようです。

 

株元

株元の様子。

 

幹の様子

樹皮には皮目がみられます。

 

(2018年5月上旬、以下6枚追加)

托葉が見られるものがありました。線状披針形で短い柄があります。

長さは中央のもので1.3cmくらい、下に写るもので1.0cmくらい。

 

先端のほんとの出始めのもので葉が外側(裏側)へ巻いているものもみられました。

 

葉表の主脈は浮き出ています。側脈は目立たない。

 

葉裏での主脈はより強く浮き出ています。

 

葉柄は6mmくらい。微毛がみられます。

 

右の方などに飛び出ているのはオノエヤナギ。カワヤナギの方が枝葉の茂り具合が密に見えます。そういうものと思っていいのかどうかは不明。

あらためて見たらこの記事の1枚目とほとんど同じアングルでした。

 

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雌花花序の様子

(2019年3月下旬、以下7枚)雌花花序の様子。

 

雌花花序の様子2

白い長毛があり、苞の上半部は黒色をしています。

 

膨らんだ子房

子房が膨らんできているもの。

 

膨らんだ子房の様子

子房にも細かい毛が多い。

 

雄花が混在する株の、通常の雌花花序

ところで、こちらの株は川沿いのコンクリートブロックの隙間に生えていたものなのですが、

 

雄花と雌花が混在する花序1

一部の花序では雄花が混在している花序がありました。

 

雄花と雌花が混在する花序2

 

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