タチヤナギ Salix triandra subsp. nipponica
川沿いでみられたヤナギ科の樹木。
果実の先の嘴状に伸びた部分がずいぶん目立ってます。その上にかなり短い花柱が残っています。果実期の様子ではありますが子房は無毛。
(花期の様子を下の方に追加)
一応この柳も高木サイズになるようですが、樹高はこのあたりに生える他のものたちと同じ感じで、やはり2m程度。
タチヤナギという名前は樹形からとされるようですが、他のものたちその差はいまいちわかりませんでした。
花の様子は撮れていないのですが、葉の展開と開花が同時ということです。
短く伸びた枝先に花序が出ていて枝には葉が数枚付いている様子は特徴的かも。
果実が裂開していますが、あまり柳絮がまとわりついて目立っているものはみられませんでした。風が強かったので飛んでしまった後かもしれません
若い枝は緑白色。
新葉の中間付近は両側とも均等に赤味を帯びています。
葉は披針形~長楕円形で、これまでの葉とくらべると幅があり、葉の質はやや厚みを感じます。
写真のもので葉身は7cmくらい。だいたいこのくらいの葉が普通のようでしたが、5~15cm程度と説明されていたりもするので、けっこう大きい葉になる場合もあるのかも。
やや低いですがはっきりとした鋸歯がほぼ基部付近までありました。
葉柄の両側に腺があります。
葉は両面とも無毛。葉裏はやや白っぽい感じ。
托葉はそれらしきはあるのですが、よくわかりませんでした。
他のヤナギ属でも托葉が分かりづらいことが多かったのですが、もっと時期が違うと変わってくるのでしょうか。いまいちわからないところです。
(2018年5月上旬、以下2枚)
同日、オノエヤナギやカワヤナギでけっこういい感じの托葉を見ることができたのですが、こちらは相変わらず小さいものがあるのみでした。
葉柄の長さは曲がっていることを考慮して8mmくらいでした。タチヤナギとしては短いのかどうかわかりませんが。カワヤナギやオノエヤナギと違い無毛。
(2019年3月下旬、以下5枚)別な場所で見つけた雄株の雄花花序。
苞は全体に黄緑色で黒くない。
また雄しべが3本という特徴があるのですが、この写真では分かりづらくもっと工夫して撮らないとならなかったようです。
花序の柄に数枚の小さい葉がつく。開花したものも蕾の状態も全体に黄緑色に見える。
雄花花序の長さは、4.5cmくらいでした。
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雌花花序の様子。
雄花花序同様、苞は黄緑色で黒色が入ったりせず、雌しべも含め全体に緑色の印象なので、遠目には葉の色に紛れてしまって花序が出ているのかどうかわかりづらい。
花柱自体は極短いですが、子房の先が嘴状に長い。(この部分の名称はあるのだろうか)
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