オノエヤナギ Salix udensis
川沿いで見かけるヤナギ科の落葉低~高木。
果実が裂開し柳絮(りゅうじょ)と呼ばれる綿毛が出てきている状態。
ここには4種類のヤナギ属が生えているようです。実は3月にこの場所で花を見ているのですが、ヤナギ属への知識がなかった上に冬を挟んでボケていたようで、本当ならヤナギ属の仲間で候補を調べるべきだったのに、こういった植物といえばネコヤナギという思い付きからネコヤナギの仲間という調べ方をしてしまったせいで、特に候補もわからないままネコヤナギとして誤った記事をあげてしまってました(反省)
そんなこんなで花期ではないのですが、4種類のヤナギ属+αをあらためて調べ直しつつ書いておくことにしました。
(3月中旬)
雄花花序の様子。葉に先駆けて花を咲かせるタイプ。
(3月中旬)
一つの花に雄しべは2本。
葯の色はまだ花粉の出ていない花序先端の方で見ると、色は黄色または一部は先が紅色を帯びたものもあるようです。
花序の基部に小さな葉があるものと無いものがある。この葉が花後にどうなっているのだろう。
(3月中旬)
雄花花序の長さ。写真のものでは4cmくらい。
(3月中旬)こちらは雌株。
(3月中旬)雌花花序の様子。
花柱と子房は同長らしいのですが、後から写真で見てもちょっとわかりません。
他に見たものと比べるとそれなりに長さがある気がするし、こんなものかなと思うのですが。来季以降また観察は必要かも。
新葉は外側(裏側)へくるりとよく巻いています。
これがオノエヤナギと分かりやすい特徴のようです。他のものでも巻いているものは見られますが、オノエヤナギの巻き方は特に強い感じ。
葉は狭い長楕円形など細い葉。
鋸歯は波状で尖りません。
成葉では葉表はほぼ無毛。
また成葉では葉の縁部分が裏側へ反っているものが多く、表側からだと鋸歯が見えにくい場合があるようです。
葉裏は白っぽい緑色で、毛が生えています。最終的にはもっと毛の量は減るようです。
特徴なのか環境によるものなのか、新しい枝は表側が赤いものが多いようでした。
托葉はのちのちもう少し大きいものになるのかよくわからず、また観察してみないとならなそうですが、現時点では小さなものがありました。托葉もまた裏に巻いて細く見えることもあるようです。(下に5月上旬の托葉追加)
果実期の様子。
結実しなかったものか青い果実状態のものと、すっかり2つに裂開し柳絮が出ているものがある。
3月頃にこんなに長い雌花花序はなかったような気がしますが、果実期までにはけっこう伸びるということでしょうか。
一本立ちして高木になるとよく書かれていますが、一本立ちはしていますが、2mほどだと思います。これからどのくらい大きくなるかわかりませんが、伐採されたら株立ち状にもなりそうだし、環境にもよりけりといったところかも。
樹皮には横長の楕円形の皮目がみられました。
(2018年5月上旬、以下6枚)
枝先のほうでは托葉が以前より目立つサイズになっているものが見られました。
それ用に撮り忘れていましたが、葉表の葉脈の窪み具合がより目立つようになっているようです。葉裏は主脈、側脈ともによく浮き出ていて目立ちます。
半卵形といった感じのものが1対ついています。縁は鋸歯状で先が腺になっています。
とりあえず長さは5mm弱。
ついでに葉柄を測っておきました。7mmくらいといったところでした。微毛がみられます。
枝先中心に葉がみられ すかすかに見えるものが多い。
(2019年3月上旬、以下5枚)冬芽の様子。
柱頭付近が赤味を帯びているものと黄色のものがあります。
写真の様子からははじめ赤味を帯びて徐々に黄色になるように思っていたのですが、その後他の花序を見ていたら、そうでもないようなものもあってはっきりわかりません。
具体的に測っていませんが、よく伸びた花柱は子房と同長くらいかも。
花柱などに短毛が見える。柱頭は2岐したのちさらに2岐しているものが見える。
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子房が膨らみ始めたもの。
右に写るものは、柱頭が黒くなって見えるし受粉を終えているものなのか、子房がかなり大きくなっています。
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