キブシ Stachyurus praecox
林などで見かけるキブシ科落葉低木の花。
まだ葉の無い樹木も多い林の中で枝から多数の花序がぶら下がった様子は意外と目につく花。
雄株、雌株、両性花の3タイプがあるようなのですが、雄花といっても明確に雌しべが短く退化したものだけでなく、雄しべより僅かに短い程度のものも雄花だそうで、それを踏まえてみると写真のものは雄花かな・・・。
後に見たときに果実が出来ていれば両性花だったということなりますが、どうか。
(追記:次に載せているものを含め、一応、果実は出来ていませんでした。)
近くに生えていたもう一本のキブシの花。こちらも同じような感じなので雄花でしょうか。
因みに花序の長さでいうと、雄花花序の方が長く、両性花と雌花花序は短い。
花弁は4枚ですが、萼片4枚のうち内側の2枚が白っぽい色で花弁状になっていて、もう2枚は茶色っぽい萼片。それよりさらに小さい茶色の2枚は苞。
花の長さは7mmくらいでした。
幹の様子。
葉に先だって花が咲きますが、若葉もちらほら出ていました。
葉の様子は覚えていたら、成葉になったときにまた観察してみます。
(4月下旬、以下4枚)すっかり葉だけになっていました。
微妙な雄しべ雌しべの長さ関係だったわけですが、やはり雄花だったようで果実は出来ていませんでした。(単に周辺に雌株がなかったからという可能性も考えられなくもない?)
葉の形は卵形といった感じで、葉先は少し尾状に伸びています。
縁には鋸歯があり、少し波打っている。
葉柄は赤味を帯び、上側に溝があり、基部には線形の托葉があります。托葉の縁は少し裂けているようにみえます。
葉の裏は主に葉脈に反って白い毛が生えていました。
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(2019年4月上旬)雌花花序。
この周辺にはキブシがけっこう多くて、花序が明らかに長いものと比べると見た目に短い花序でした。
明らかに雌しべが目立っていました。
昨年分の果実がまだぶら下がっていました。
果序の長さは9cmくらい。
果実は楕円状球形で長さは1cm強。
種子もびっしり残っています。