オトコヨモギ Artemisia japonica
河口~海岸付近の土手に生えていたキク科の植物。
昨年、ハマオトコヨモギと思われるものをあげていますが、当時はまだオトコヨモギの実物を見たことがなかったので、違いについても考えつつ見てみました。
花序の様子。小さな花(頭花)がかなり密についています。(追記:ハマオトコヨモギより花序がかなり大きい(長い)ようです。下に画像追加。)
頭花の中心に両性花がいくつかあり、周囲に雌性花があります。
筒状花の花冠の色と思いますが紅色を少し帯びているものなどあります。
総苞の様子ですが、ハマオトコヨモギのそれと比べて肉厚度というか総苞片のぷっくり感が少ないように感じます。
ハマオトコヨモギがまだ今年は開花していないので、昨年の写真を使っています。
写真のように、ハマオトコヨモギの方が総苞片に厚みを感じます。
オトコヨモギは全体に「ほぼ無毛」とされているようですが、写真では花序内の柄や茎に毛が生えているのが見えます。「ほぼ」という言葉がついているので生えないわけではないのだろうと思います。
参考にこちらが現在のハマオトコヨモギの様子。全体に滑らかで毛が生えている様子はありません。ただ、毛が生える仕組みをもたないというわけではないとすれば、少々生えていることもあるだろうし、全く生えないとは言い切れないかも。
オトコヨモギに戻ります。
頭花の長さは飛び出した雌しべまで入れると3mm、雌しべの分を除いたほぼ総苞部分の長さで見ると2mm程度。2mmと説明されているものを見かけるのはこういう意味かな。
ハマオトコヨモギについては昨年測ってなかったので、花が咲いたら測ってみたいと思います。(追記:オトコヨモギの総苞の幅についたは下に追加画像しました。また、ハマオトコヨモギの計測についてはハマオトコヨモギの記事に載せました。ハマオトコヨモギの方が少しだけ幅はあるようでした。)
花序を付けていた茎とそこに付く葉の様子。けっこう切れ込みのある葉なども見られました。(追記: 見ている限り、ハマオトコヨモギではここまで切れ込んだ葉はないようです。)
葉の厚みは感覚的な話になってしまいますが、厚みはあるにはあるけどペラペラでなくやや硬い程度に感じました。葉の大きさによっても違いがあると思います。(大きい方が薄い)
ハマオトコヨモギの方が写真で見た感じでもちょっと厚みがあるし実際に触れてみても少しだけ厚みを感じます。
葉表は無毛か、毛が散生するものがあるようで、この写真では毛が生えているのが見えます。
ハマオトコヨモギでも、上部の小さな葉で僅かに毛が写っていたものがありました。
葉裏にもちょっと毛があるように見えます。
上部の方の切れ込みのない葉。こういった葉などもハマオトコヨモギと比べるとあまり厚みを感じない。
花序をつけていない茎の葉。
その茎の途中についていた葉。あまり葉の数はないようです。質感も薄いです。
葉の基部。小さな仮托葉があります。
株元の様子。茎の下部には葉はついていません。
草姿は、土手の斜面から横に張りだすように斜上~枝垂れるように伸びていました。
ということで、葉や総苞片などの厚みなどを基準にすれば、こちらがオトコヨモギで昨年のものはハマオトコヨモギということになるかと思います。なのでハマオトコヨモギの記事のタイトルにつけた「(?)」は外しておこうと思いますが、まだスッキリしないところもあるので、ハマオトコヨモギの方が開花したらもう一度考えてみたいと思います。(追記:ハマオトコヨモギも開花したのであらたにいくつか様子を追加してあります。)
(追加画像)
(9月中旬、以下7枚追加)
ハマオトコヨモギと比べて、茎の先につく花序の部分がかなり大きい(長い)です。
定規は15cm(+1cm)。オトコヨモギは写真のように花序のある部分が20~30cmくらいありますが、ハマオトコヨモギは8cm程度までしかありませんでした。
あらためて測ってみましたが、頭花の長さには違いは感じられませんでしたが、総苞の幅では平均的にハマオトコヨモギの方が少しだけ幅があるようではありました。総苞片の肉厚分かなと思います。
以前見たときと比較すると花の付き具合がだいぶ疎ら(空間がある)になっていました。
一応まとめると、ハマオトコヨモギの方が花序がギュッとつまって短い(1/3くらいしかない)ようです。
葉の厚みや頭花の大きさ(幅)も差はあるようですが、花序の大きさが見た目に一番差があるように思いました。
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