ウメモドキ Ilex serrata
湿り気のある林の中でみかけたモチノキ科の落葉低木。雌雄異株。
庭木などにもよく利用されます。
赤い小さな果実を葉腋から出た短い花序(果序)に数個ずつぶら下げています。
果実は直径約5mm。
葉は互生。
縁には細かい鋸歯があり、先端は少し伸びたり尖ったりしています。
葉表には柔らかい短毛がありますが、触った感触ではそう感じるものの写真にはなかなか写りにくいようで。
葉裏の毛の様子。全体に毛があります。葉脈上の毛は少し長くて目立っています。
葉の裏の毛がないものをイヌウメモドキ(f. argutidens)とすることがあるようです。
果実をつけている枝(当年枝)にも毛が生えているのが見えます。
幹はほっそりしています。地面から数本出てきて、株立ち状になっています。
(2018年5月下旬、以下7枚)花期の様子。
こちらは果実期のものと同じ株の雌花。
花はほぼ白色でした(微かに紅色成分を感じる?)
花冠は4~5裂し、それと同数の仮雄しべがあり、中心に発達した雌しべがあります。
萼や花柄に短毛があります。
花の終わりで花冠が抜け落ちそうな雌花。子房が見えています。
こちらは雄株の雄花の様子。
花序の花数が雌花より多いようで、蕾を含め多数集まっています。
雄花では雌しべが退化し、中央に写るものでは黄色の花粉が出ています。
蕾の時の方が色づいていますが、こちらの雄花の方がさきほどの雌花より紅色を帯びているようです。
こちらは別な株の雄花ですが、かなり紅色の濃い花をしています。
(2017年6月上旬)自宅庭のウメモドキ(雌花)
ここまで載せたも花とは中間的な紅色の帯び方です。
ということで花色はほぼ白~紅色までいろいろあるようです。
「ウメ」とはつきますがモチノキ科の落葉低木で、名前の由来はそのままウメに似ているということからなのですが、具体的にどのあたりが似ているのかというと、葉の様子や枝の出方が似ている説や花の様子、或いは果実の様子からなど諸説あるように、結局のところは、それほど似ていないということなのかもしれません(笑)