ミドリハコベ Stellaria neglecta
林の縁で見かけるナデシコ科の花。よく見かけるコハコベより一般的には草姿が大きい傾向があると思います。
また、一般的にコハコベより雄しべの数が多い傾向があって、この写真の花では8本。
ただし、少ないものもあるので雄しべの数だけでは判断できないこともあります。
以下、少な目のものをあげると(全て種子の突起の様子は確認済み。)
この花は5本。一般的にはミドリハコベは5本以上(10本以下)あるとされています。なので範囲内ではありますが、コハコベは1~7本とされているので範囲が重なる部分で、これだけでは判断が難しいです。
そして、こちらの花では3本だけ。一応書いておくと、1枚目にあげている写真の花も4本しかない。(それぞれ別の株。)
そんな感じで少ないこともあるので、雄しべの数だけでは、ミドリハコベなのかコハコベなのか判らないこともあります。
なので、種子の突起の様子を確認するしか、すっきりする方法はなさそうです。
花後、果実は下を向きますが熟すと上を向き、中に種子が見えるようになっています。
ミドリハコベの種子の特徴は、写真のように表面の突起が尖っていること。
大きさを測るつもりがなかったのでいい加減な置き方ですが、直径は1mm以上は軽くありそう。
参考にこちらはコハコベの種子。表面の突起は丸みがあって尖っていません。
直径は1mmちょうどくらいで、わずかですがコハコベの方が小さいようでした。(それぞれ大きさに幅があるようなので、一概に必ずミドリハコベが大きいってわけでもなさそうですが)
上部の葉は柄がなくて5cm近くありました。林の縁という環境からか特に大きめものが多いです。
上部に付く葉は大きく、下の方に行くに従い葉身が小さくなる傾向。それとは逆に葉柄は徐々に長くなっていくようです。
さらに下の葉では完全に葉柄があります。
これは別の株になりますが、ちょっと小型のもの(通常サイズ?)。
こちらも一応測ってみましたが、葉身は2cm程度でした。
再び大きな方の株での様子に戻りますが、上部の茎はかなり太くて4~5mmありました。指でつまむと中が空洞なのを感じます。
下の方に行くにしたがって茎が細くなっていきます。
最下部ではさらにかなり細くなっていました。(って写真で見たらどう違うのか分からなかったので測ればよかった。)
再び小型というか普通サイズ?のものです。ミドリハコベというくらいなので、少々赤味があることもありますが、全体的には緑色をしています。
ただ、コハコベも日当たりなどの環境次第で緑色をしたものがあるし、さらにそれが大きめのコハコベだったりすると、なおさら見分けは難しくなります。
季節的には、まだ早春の寒いころに咲いてたりするのはコハコベだけで、個人的にはミドリハコベはだいたい4月、5月の暖かくなった時期にだけ花を見かけます。その後は草刈りされてしまったりもあるので、本来の感じが分からないといえばわからないのですが、秋にも咲いていることもあるらしいです。
さらに、いろいろ検索してみて今回はじめて知りましたが、他の違いとして花弁がミドリハコベの場合、隣の花弁と重なる傾向があるそうです。・・・なるほど確かに、本来セットになっているはずの深く切れ込んだもう片側の裂片とよりも、ぱっと見は隣の花弁の裂片と1セットになっているかのように感じるものが多いかも。
そんなこんな全体の印象の違いなどもいくつかあるにはあるものの、やっぱり種子の確認は必要かな~とは感じます。まだ花弁の感じの違いという知識はないままでしたが、今回も「ミドリハコベかな?」って思ったのに種子を確認したらコハコベだったというのがあったので。
(追加画像)
別の場所でのミドリハコベ。
☆関連記事リンク☆