オケラ Atractylodes japonica
林の中で見かけたキク科の花で、今回はじめて存在に気づいた花です。
羽状(魚の骨のような)になった総苞外片(苞葉とも)が個性的です。
ちょっと遠めに見たときは、木質の茎が枝垂れてその先に花がある姿からコウヤボウキかなと思って眺めただけで通り過ぎるところでした。妙に花色が白いので一応近づいてみて良かったです。(花色は紅色を帯びたタイプもあるようです。)
フラッシュで光ってしまってますが、
雌花の株と両性花の株に分かれる雌性両性異株。
写真のものは葯筒が見られず雌しべのみの花なので、雌花。
葉は3~5深裂で、中間から上部の葉はこうして3深裂した葉でした。
下の方につく葉では裂片が4つありました。
縁に鋭い鋸歯が見えます。葉の両面とも無毛で触った感じもすべすべしていて革質で硬いです。
根生葉はありませんでした。
付近を見渡してみましたが、この1株しか見当たりませんでした。まだ、花が咲いていなくて見落としていただけ・・・だと嬉しいのですが。雌株だけなのでこのままでは受粉もできなそうだし。
本来、もっと日当たりのいい場所を好むようなので、木陰から外れて周辺の草地を見た方が良かったかな~とも書きながら思いましたが、そういう場所は除草作業もけっこうあるしそういった状況に強い植物しかなさそうかな・・・。いや、そもそもが元々とここに生えていたのか、1株だけなのでそこも怪しい気もしますが。また今度見てみようとは思います。
ところで、面白い名前をしています。まっさきに昆虫のオケラ(ケラ)が浮かんだものの、特に関係はなさそうでした。だからといってこれといった説も見当たらず由来は分かりませんでした。とはいえ、昔から馴染み深い植物だったようで「うけら」と呼ばれ、万葉集にも詠まれているそうです。
(追加画像)
(2017年10月上旬)
これは2016と同じ株かなという気がしますが、今シーズンはすぐ隣に小さめですがもう1株あり、蕾をもっています。地下茎で増えるのかどうかしりませんが、完全な別株だとしたら雄株なのか雌株なのか気になるところです。