ガクアジサイ(ハマアジサイ) Hydrangea macrophylla f. normalis
ガクアジサイは栽培されるアジサイの原種で、房総半島、三浦半島、伊豆諸島など海岸方面に自生がある落葉低木。
写真のものも海岸付近の土手に生えていて見た目には野生的なのですが、自生地でないのでだいぶ昔に植栽されたものなんだろうと思います。ということで、なんらかの園芸品種名を持っているものなのかもしれませんが、園芸品種は多数あり詳しいことはわかりません。
ガクアジサイという名前は中心の両性花を取り囲むように装飾花がある様子を「額」と見立てたものだそうです。
ハマアジサイという別名もありますが、よく見かけるアジサイ類を大まかに分けるとヤマアジサイ系と海岸型のガクアジサイ系ということになると思いますが(中間的な園芸品種もあるらしいですが)、ヤマアジサイもガクアジサイもどちらも額咲きなのだから、ハマアジサイの方が対比的でぴったりのような。
装飾花の萼片は3~5枚で丸みがある。
近くで咲いていた別株の花。
最初の方の花は両性花がほぼ青色でしたが、こちらは紅色が強め。
またやや萼片の基部がほっそりしていて、隙間が明瞭。
特に大差はないので、以後だいたいの写真はこちらの株で撮ったものです。
両性花の様子
花弁は5枚、雄しべは10本。柱頭3。
両性花の花径は7mmくらい。
最初の方の青色の両性花も花径はほぼ同じ。
ただ、こちらは柱頭4つの花もみられました。
花序内には、大きめの苞葉的な葉がみられました。
青い花の方でも同じように花序内に苞葉的な葉がある。
萼裂片は小さく三角状。
花序内の柄には上向きに曲がった短毛が散生。
葉はエゾアジサイ系より平均的に大きく、表面には艶があり、質感は厚ぼったい。
大きめの葉を測り、幅は10cmちょっと。(長さは17cmくらい。)
葉先は葉身の大きさに対して短く尖る。
鋸歯はやや丸みがあり、ヤマアジサイ系ほど尖っていない。
葉表は無毛。
枝先の新葉も無毛。
葉裏は脈腋に縮毛が固まってある。
若い枝。枝の太さはヤマアジサイ系より太い。
青い花の方の葉。全体に波打っているものが多いようでした。
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