アメリカフヨウ Hibiscus moscheutos
道端の草地で見かけたアオイ科の植物。
仲間のフヨウは木本ですが、こちらは草本で別名ではクサフヨウとも呼ばれるようです。草丈は写真のもので1mあるかないかといったところ。
基本的には園芸植物で、あまり野生化している様子もあまり見かけない花ですが、今回たまたまポツンと1株だけ咲いていました。(昨年も同じ場所に咲いていたかも)
よく栽培されているものには、花径が30cmほどにもなる大きな花の園芸品種もありますが(下に写真追加)、写真の花は15cmほど。なんらかの園芸品種名を持っているものかどうかはわかりません。
食用のエノキタケのような感じですが(笑)花柱は先の方で5つに分かれ柱頭が5つあります。
分岐した柄には腺毛らしきもみえます。
雄しべは花柱を取り巻くようにブラシ状に多数付いています。
花糸は合着して筒状になっているそうですが、見た目の様子からすると花糸の長さがそれぞれ違うものが合着して筒状になっているということなんでしょうかね。
そのへん構造がいまいち分からないですが、フヨウ属(Hibiscus)はたいていこんな感じの雄しべと雌しべをしています。
花弁の基部同士の隙間。
萼のすぐ下には、細い裂片をした副萼があります。
副萼の裂片の数は10~12という情報もあるようなのですが、今回見たものは9個のものか、うち一つが写真のように中途半端な裂け具合だったり、或いは通常より短く細いものが付いていたりで、そういったものを数えると10個のものもあるという感じでした。
葉は卵形~広卵形といった感じ。時に3裂するような葉もあるそうです。
大きめの葉では基部は僅かに心形といった感じ。
暑さのせいか環境のせいか、あまり葉の色の状態は良くないように思います。また、画像検索など参考にすると、一般的な様子より葉脈も赤味を帯びている気がします。湿り気のある土壌を好むようなので、少々乾燥気味なのかも。
葉表は、よく見ると短毛が生えていました。
葉裏はやや白っぽく、毛が密生しています。
地面から分岐していた方の小さめの葉。
あまり枝分かれは無く、この一本のみ。そのあたりも環境の影響かも。
茎などにも毛がありますが、写真中央あたりには星状毛も見えます。
赤味を帯びて見えるのは葉柄ですが、基部には托葉の落ちた痕と思われるものも見えます。
若い果実。
(追加画像)
(2007年7月下旬)
ずいぶん昔に撮った写真ですが、花の大きい園芸品種。花弁同士に隙間がなく重なりあっていて花の輪郭が丸く見えます。
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