ゼニバアオイ Malva neglecta
道端の草地にみかけたアオイ科の花。
這うように横に広がる傾向がありますが、ここは壁になる部分があるので立っていました。また、雨なので花は咲いていないようでした。
なのですが、以下の昨年の画像でとりあえずあげることにします。
可愛らしい花ですが、全体の姿に対してやや小ぶりの花なので全体で見たときはそれほど目立つ花でもなかったりします。
空き地で見かけたものの草姿はこのように少々立つ程度で、這うように横に広がる姿をしていました。(最初にあげたものとはかなり近い場所)
花径は写真のもので1.5cmほど。
こちらは2cm弱。
雄性先熟で、先ほどの写真では雄しべがたくさん見えましたが、こちらでは柱頭が13個ほど見えます。
萼片の先端が長く伸び尖っています。花弁は萼片の2倍かそれ以上と長いのが特徴と思われます。
花弁の長さ自体は分解しないと正確には分かりませんが1.3cmくらいで、萼まで入れた長さは1.5cmくらい。
開花時の花柄を見ると短いようです(7mmくらいかな)。
一か所から複数の花柄が出ます。
果実になるまでに花柄(果柄)が伸びるようで、写真のもので2.0cmほどになっています。
葉は横に計って幅が、6cmほどのものまでありましたが、だいたいの葉は5cm以下が多いようでした。
葉柄は写真のもので10cm程度あり長い。
果実(分果)は写真のもので15ですが、だいたい12~15のようです。
果実全体の径は約1cm。
同じように這うような姿をする仲間の花にウサギアオイ(M. parviflora)とナガエアオイ(M. pusilla)があります。
ウサギアオイは、花がだいぶ小さく萼片と花弁が3.0~4.5mm程度とほぼ同じ長さ。分果は10~11。
ナガエアオイは、花はウサギアオイより大きめで、花弁は3~6mmで萼片と同じくらいか少し長めのようです。分果は10~11。
と、これらはFlora of North Americaを参考にしたのですが、
どうもFlora of Chinaでは、ナガエアオイの花径は10~12mm、花弁は9~15mm、分果は12~15となっているようです。でも、それだと花径以外は今回載せている花も当てはまることになり、違いが微妙な感じになってしまいます。
ならば、そのFlora of Chinaでのゼニバアオイ(M. neglecta)はどうなっているのだろうと思ったのですが、データがないようです。
ということで比較ができるFlora of North Americaの方を参考にゼニバアオイとしました。
(Flora of North Americaでのゼニバアオイは、萼片4~7mm、花弁は萼片の2倍の長さで9~13mm。分果は12~15。読み間違えがなければ、見たものとだいたい合っている。)
因みに、和名的にややこしいゼニアオイという花もありますが、花がだいぶ大きいので見た目に違います。(このブログ内ではゼニアオイ(M. mauritiana)をウスベニアオイ(M. sylvestris)のシノニムとし、「ウスベニアオイ Malva sylvestris」 というタイトルで載せています。)
(追加画像)
あらためて今回の壁沿いの花の咲いた様子を見ました。株内で小さめの花を測り1.2cmほど。このくらいの花もけっこうある。
こちらは花径1.5cm程度。
熟した果実の花柄は、3.5cm程度。
一部、萼片に隠れてみえませんが、14~15と思われます。
その分果一つの大きさ。幅は2mm程度でした。
余談ですが、昨年観察した空き地のあたりは除草剤散布により見られませんでした。昨年も花期後半に撒かれていたので、期待はしてなかったのですが・・・。
(7月下旬、以下6枚追加)
場所的にはほぼ同じ並びで、また別の場所に新たに花を咲かせているものを見つけました。
花径は1.3~1.4mmくらい。花は初夏の頃が一番大きいのかも。
長さは1cmあるかないか。
萼片が落ちていた果実。分果は12のようです。
こちらは14分果。
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