Familiar Flowers 2

身近で咲く花たち。

アヤメ Iris sanguinea

花の写真

花壇の縁で忘れられたように咲いていたアヤメ。山野の草地に自生するとされます。

誰でも知っている花ですが、なぜか栽培されている様子を身近ではあまりというか、ほぼ見かけないようです。

 

花の写真2

草丈は写真のもので45cmくらい。花と葉の高さはほぼ同じくらいに咲くというのが一つの特徴。

 

花の様子1

花の様子2

花色は紫色系ですが青味が強くやや淡い感じもする色合い。

外花被片には黄色の斑紋と網目模様があるのがハナショウブカキツバタとの見分けポイント。

 

シロアヤメの花

白花品種はシロアヤメ(f. albiflora)と呼ばれます。

 

外花被片 幅1

咲いていた2つの花のうち細めだったほうで3cmくらい。

 

外花被片 幅2

広めの方で3.5cmくらいでした。

 

シロアヤメ 外花被片 幅

おまけにシロアヤメ。約3cm。

 

内花被片 長さ

内花被片は直立していて、長さは4cmあるかないか。(色の変わり目で)

 

内花被片 幅

幅は広い部分で1.5cmくらい。

 

花径

花径といっても外花被片の垂れ具合や測る辺で変わるかもしれませんが、だいたい8cm程度。

 

後半の花

同じ株の花ですが、別の日の花。

色褪せていますが、後半の花の様子。サイズなど測りましたがほぼ同じ。

 

咲き始めの花

咲き始めの花の様子。

 

蕾の色

蕾の様子。

蕾の色は開花時の花よりも濃い。

 

蕾の様子 傾いていたもの

一次的に横を向くことがあるのか、雨だからなのか。傾いていた蕾。のちに直立していました。

 雌しべと雄しべ1

雌しべと雄しべ2

アヤメ科の雌しべは花柱が3つに分かれ花弁状になっています。

それに沿うように内側に雄しべがあります。

 

雌しべと雄しべ3

花弁状になった先端部分の2列した辺りに柱頭がありますが、この写真ではそれは見え辛いです。

 

苞葉

苞葉の色の赤味の帯び具合が同じ株内でも差があるようです。

この写真のものはけっこう赤いですが、そうでもないものもあります。

 

シロアヤメ 苞葉

因みにシロアヤメは花に紫の色素がないだけでなく、苞葉も赤味を帯びず緑色。

 

葉の様子1

葉の様子2

葉の両面の様子。よく中脈がないや目立たないと言われますが、中脈はあります。ハナショウブと比較すると目立たないですが、ないわけではないのであまりいい見分け方ではないと思います。

 

葉の幅

葉の幅は広いもので1.2cmくらいでした。

 

葉の様子 全体

葉の様子 ねじれ

アヤメの葉はあまり捻じれないとされます。中央やや右で手前に向かったものは捻じれてるようです。

 

下部の様子

下の方ではやや粉白を帯びている感じもありますが、シロアヤメの方がはっきり帯びているかも。

 

地際の様子

 株元の様子。

 

若い果実

若い果実ですが、充実しているかは怪しいです。(周りでは萎んで落ちそうなものもあったので。)

果実が2つですが、花は通常一つの茎に2つ咲きます。

 

花の写真3

似た花には、変種のカマヤマショウブがあります。中間的なものがあるともされます。

カマヤマショウブの特徴としては草丈が高く(1mくらい)なり、花は葉の茂った高さより高く出て、花色は濃く、外花被片に幅がある(外花被片だけでなく全体に花はやや大きい)、葉がよじれやすいことや、果実が大きめなどがあるようです。中間的なものがあるということで、トータル的な判断が必要になりそうです。

 

(追加画像)

別な場所での花1

なかなか見かけない・・・と思っていると見つけたりするという「あるある」で別場所で咲いていたアヤメです。

水辺で近づけない場所なのですが、草丈は40cmくらいではないかと思います。

 

別な場所での花2

葉の間に花があります。咲いていたのは1輪ですが、そういえばあまりアヤメというのは株内の花数が揃わないものなんでしょうか。シロアヤメはそこそこ同時に咲くように思いますが、どうなんだろう。

 

さらに別場所での花1

(5月中旬、以下3枚)さらに別な場所の花壇でもみつけました。

これまでのものより少々色濃く感じたのですが、撮ってみるとあまり差がなかったようです。

 

さらに別場所での花2

さらに別場所での花3

外花被片の幅が目立つものがありました。

 

花色が濃く外花被片の幅が目立つもの

(追加)

この追加画像は、カマヤマショウブの記事に中間的なものかもしれないと思い載せていた花ですが、アヤメに近いというかほぼアヤメであろうと思い直したのでこちらへ移動してきた花です。

はじめこの花をカマヤマショウブとの中間型かもしれないと考えたのは、草丈が少々高いものがあったり花が葉より高い位置に見られるものがあったこと、花色が鮮やかで濃いことや、外花被片の横長な感じが目立つこと、葉の色も濃かったことなどが理由でしたが、たとえば草丈に関しては後に測ってみたところ高いものは70cmくらいありましたが、確かに普通のアヤメとしては高いものの、多くの株は40cm前後でした。葉より高い位置に花が咲くことは、たとえばシロアヤメでは高いもの低いものみられますし、おそらく普通のアヤメでもあり得ることだろうと思います。また、外花被片が横長なものも普通のアヤメでみられますし、葉の色もやはり絶対的な差には思えませんでした。花色についても、単に白っぽさがなくなったことで濃く見えるというだけのように思えます。一つの茎に付く花数も2つで普通のアヤメと同じですし、葉の立ち具合などもアヤメと同じ。と考えていくと、ほぼアヤメではないかという考えに変わりました。

それらのことから想像になりますが、アヤメの中で色が濃く外花被片の幅が出てよく花が目立つものだけを選抜してできたもの(園芸品種?)、或いはそういったものを株分けして増やしていったものなのかなという気もします。あらためて画像を見ると標準的なアヤメではないのも確かですが、いずれにしてもどちらかというならアヤメに近いのでこちらに載せることにしました。

記事が長くなりすぎるのでこの花についての他の画像などは今後、必要になったときに載せることにしようと思います。

 

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