コボタンヅル Clematis apiifolia var. biternata
林縁などに生えるキンポウゲ科のつる植物。
一度上げていたことがあるのですが、葉の様子に気になる点があったので一旦下げていました。
ということで、果実(痩果)の様子を確認しての再アップになります。
果実上部の縁には短毛があります。表面にはボタンヅルのように密生する毛はみられません。
ということであらためてコボタンヅルとして特徴が確認できました。
果実の長さは5mmくらい。
ちゃんと測っていませんが、羽毛状になった花柱は7mmくらい?
(8月中旬)初秋のよく咲いていた頃の花の様子。
花弁に見えるのは萼片で、花径は2cm前後。雄蕊は多数。
コボタンヅルの特徴として、葉は2回3出複葉ということなのですが、
切れ込みが中途半端なものも多く、中には単に3出複葉のものもあったりします。
この点がはじめに書いた気になったポイントです。
もし、ほとんどが2回3出複葉の中でたまにそういったものがあるといった程度なら気にならないのですが、特に今シーズンの葉を見るとむしろ綺麗に2回3出複葉になっているものが少なくて、これまでずっとコボタンヅルと思ってきたものの「もしかしてボタンヅル(3出複葉)だったのかな?」と気になったので、果実の様子を確認してみた次第でした。
場所が変わって、林の縁で咲いていたものも見てみました。
ここで見かけるものたちも、裂け具合がやはり中途半端な葉がけっこうみられました。
そのすぐ下、道路沿いで草刈りされた場所から生えていたもの。
それらはどういう違いがあるのか、ほとんどこうして綺麗な2回3出複葉をしていました。
コボタンヅルの葉は「1~2回3出複葉」と説明されているなら何も問題ないのですが、一般的には「2回3出複葉」とされているようなので気になるところ。
でも、たとえばセンニンソウでも葉が切れ込んだものがたまにみられるし、肝心なボタンヅルの様子は確認できていないものの、切れ込み具合には環境や個体差などもあると考えれば2回でないものがあってもおかしくない気はします。
とはいえ気持ち的にすっきりしなかったので、一旦下げておいての再アップということになったのですが。
ところで、検索して調べていると、葉は2回3出複葉でありながら果実に毛があるという逆パターンもあるという情報もあるようでした。そうなってくると一貫性がなくて外見上の判断ではもうお手上げです(苦笑)
分布的な面でみると、コボタンヅルは関東~中部、ボタンヅルは本州、四国、九州などとなっているようです。ボタンヅルの方の「本州」という表現が曖昧な感じですが、西の方にはボタンヅルが多く、コボタンヅルは東の方に多いといった感じにはとれます。
ということで、コボタンヅルはボタンヅルの変種という位置づけですが、その違いはなかなか微妙で難しそうです。実物(ボタンヅルの方)も確認できると、案外難しくなかったということも他の植物ではあったりしますが、画像などで見る限りなかなかそれも難しそうです。
とりあえずここでは、2回3出複葉の葉があることと果実の様子からコボタンヅルと考えることにしました。
(2018年5月上旬)
今シーズンはけっこう綺麗に2回3出複葉が見られるようです。
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