ミツバアケビ Akebia trifoliata
林縁などに見かけるアケビ科のつる植物。
けっこうあちこちで見かけるわりには果実はあまり見かけないので、今シーズンはちゃんと見ようと思っていました。
「アケビ」という名前の由来は、一説には果実が熟すと開くことからと言われています。
写真の果実でだいたい8cmですが、大きさはけっこうバラつきがあり、もっと小さなものもあります。
上を見上げるともっと果実がありましたが、あとから写真で確認してみると、ミツバアケビでなく通常のアケビの葉が見えるので、もしかするとこの2枚はアケビの果実かもしれません・・・。
色的にはフラッシュ使用ですが、紫色がいい具合の果実。
因みに、アケビの記事に載せた果実は茶褐色の果実。アケビというと紫色というイメージでしたが、そういうものばかりでもないようです。
周辺の地面に種子が落ちていたので撮ってみたのですが、そういったわけで同じ場所にアケビも混生していたとなると、どちらの種子かちょっとわかりません。(種子の様子に差はないかもしれませんが。)
一応その種子の大きさですが、大小けっこうバラつきがあり、小さいものは4mmくらいですが、大きいものは7mmくらいありました。
(8月上旬)若い果実。
(7月下旬)こちらの方が時期的にちょっと早く撮ってあったものですが、色が少し灰色がかっています。(奥の方には緑色の果実も見えますが。)
雌しべの数だけ果実ができるので、写真のようにいくつかが固まって付いていたりします。
さきほどのアケビなのかミツバアケビなのか分からなくなってしまった写真では5つも付いているものがありましたが、受粉率がよくなさそうで1つしかないものもあります。
普通のアケビと違い3小葉なので「ミツバ」と付きます。
小葉には波状の鋸歯があるのも特徴。
アケビとの交雑種とされるゴヨウアケビでは小葉がアケビのように5つでありながら、ミツバアケビのような鋸歯があります。
(4月下旬)花の様子。
雌雄同株で、花序の先の方に多数の雄花が咲き、花序の基部よりに雌花が1~数個つきます。
奥に見える一回り大きな花が雌花ですが、雌花の花柄はアケビのそれと比べると短いようです。また、雄花の花被片は強く反り返っています。そのせいでずいぶんと葯だけが目立っています。
葯が開いている状態の雄花。
家で育てているものを見ていると充実具合の差と思うのですが、花序に雄花しかない場合もあります。
雌花には複数の雌しべがあります。写真のものでは雌しべ5ですが、3~6とされているようです。
花被片の数は3が多いですが少々多いものもあるようです。
写真では花色は暗紫色という表現があっている感がありますが、実際に見るとチョコレート色という印象があり、なんだかいい色です。
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