アケビ Akebia quinata
先に上げたミツバアケビとともに林縁などでよく見かけるアケビ科のつる植物。
こちらも、あちこちに生えているわりに果実を目にする機会が少ないので、今年はちゃんと見ようと思っていましたが、すでに全開に開いてしまってました。
種子が残っているのが見えますが、中身は野鳥か何かが食べていったのかと思います。
アケビの名前の由来は諸説ありますが、その一つの「開け実」説にはぴったりな様子かも。でも、ここまで開くと「開け」でなく「空け実」といった感じ(笑)
もっと高い位置でも同じようにすでに開いて中身の無くなった果実がありました。
アケビというと紫色に熟すと思っていたので、少し前に様子を見たときには全くその気配がなく「まだまさ先かな」と思っていましたが、実際には紫色に熟すものばかりではないようで、すっかり意表をつかれました・・・。
ぶら下がっているものは手が届かなかったのですが、下に落ちていたものがありました。
果実の長さは写真のもので7.5cmくらい。それなりに立派な方かと思います。
果実の表面は茶褐色といった感じで、紫色成分は全くない。
因みに、ミツバアケビの方に載せた「もしかしたらアケビのものかもしれない果実」は紫色を帯びているようでした。
ミツバアケビと同じように周囲の地面を見ると種子が落ちていました。
ミツバアケビの記事ではミツバアケビのものかアケビのものかよく分からなくなっていましたが、こちらはアケビのもので間違いないと思います。
光沢のある種子で長さは6mmくらいでした。
(7月下旬)若い果実。
(7月下旬)
雌しべの数だけ果実ができますが、受粉がそれほどうまくいかないのか少ないものも多いと思います。
因みに、アケビの雌しべは3~9とされているようです。
(3月中旬)芽吹きの頃の様子。
葉が展開し始めるのとほぼ同時に花芽も出てきています。
葉は5小葉で、全縁です。
ミツバアケビとの交雑種とされるゴヨウアケビでは小葉にミツバアケビのような波状の鋸歯がみられます。
ところで、なぜアケビの葉も5枚なのに「ゴヨウ(五葉)アケビ」なんでしょう。変な名前の付け方です。
(4月下旬)
雌雄同株で花序の先端に雄花が集まり、基部寄りに雌花が数個付きます。
ミツバアケビと違い雌花の花柄が長いようで、雄花の付き方もちょっと違うように思いますが、具体的には観察不足で見ていません。
花色(花被片)は写真のものでは、雌花はやや淡い暗紫色を帯び、雄花は白っぽい感じですが、雄花も濃い目の色だったり、逆に全体に白っぽかったり少々変化があるようです。
雄花の様子。具体的に線引きできるかわかりませんが、ミツバアケビの雄花と比べると花被片の反り返り具合がアケビの方が小さいような感じ。
あまり果実を見ないのは開花の時期に昆虫がまだ少ないこともあるのかなぁ。とりあえず今シーズンは、きっとこの子が活躍してくれたおかげで果実が見られたのだろうと思います(笑)
でも、果実が少ないという割に庭などにもよく生えてきますし、あちこちに出てくるということは、仕組みとしてはうまくいっているということなんだろうな~と思います。
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