マルバアキグミ Elaeagnus umbellata var. obtusifolia
海岸でみかけたグミ科の落葉低木。
やや痩せたような果実で数もあまり見られず、状態がいい感じのものはみられませんでした。(2018年は別の樹ですが、ずいぶん実っているものがありました。)
赤くなる前の果実。比較的形がいい。
本来もっと球形になるかと思いますが、果実の長さは6~7mmでした。
マルバアキグミは写真のように葉に丸みと幅があり、葉の質は硬め。
アキグミと比べて厚みがあるとされますが、多肉質感とは違うし硬さは感じるものの、厚さとしてはわかりづらい気がしました。
因みに、よく探すと中にはこういった葉先が尖り気味の葉もあるにはありましたが、
全体的に見ると、葉先が尖らず幅が広くて丸っこい形が多いです。
樹高自体は枝が四方八方斜上している感じであまりありませんでした。
枝先の若い葉の様子。若い葉の時点で幅がけっこう目立っていました。
平均すると広い楕円形が多い印象を受けましたが、倒卵形のように上部の方が広めのものや、葉先はやや窪むようなものも見られます。
葉身は長さ、4.5cmくらい。
定規の角度が悪いですが、幅は3.5cmくらい。
こちらは長さも幅も同じくらいで、ほとんど円形。
葉柄は5mmくらい。
葉表の鱗状毛。遠目にはそんなに感じませんでしたが、こうしてみるとけっこう褐色がかったものが多く混じって見えます。こういうものなのか、それとも落ちる前の様子なのかな。わかりません。
葉裏の様子。褐色の鱗状毛が点々とある。
探すといくつか短枝が変化したトゲが見られました。
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ここからは全体に葉が小さめのせいか少し違う雰囲気があったもので、マルバアキグミかなという気はするのですが、一応別に分けて載せておきます。(追記:春の観察では特に差は感じませんでしたので、普通にマルバアキグミで生育の問題かも。)
痩せたものが多く、果実の状態があまりいいものがありません。
葉はだいたい丸みのある楕円形をしていますが、葉の質がはじめに載せているものよりやや薄いような、かといってアキグミほど薄くもない、・・・そんな感じでした。
葉身は3.5cmくらいで全体的に最初に載せたものより見た目にも小型の葉ばかり。
幅は2.5cmくらい。幅が狭めですが、バランスからいうと十分な幅?
その葉表の鱗状毛。
葉裏の鱗状毛。
葉の色がよくないような、株自体も勢いがないような、そんな感じもしたので単に状態のよくないマルバアキグミの株ということなのかもしれません。
花の様子などについては、また来年にでも見てみたいと思います。
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(10月上旬)別な場所での株。果実はありません。
葉は丸くマルバアキグミのようなのですが、厚みがアキグミほど薄くもなければこの記事に最初に上げたものほど厚くもなく、中間的な厚み。
(追加画像)
(2018年4月中旬、3枚追加)
アキグミは咲いていましたが、マルバアキグミはいずれもまだ蕾でした。マルバアキグミの方がアキグミよりちょっとだけ花期が遅いということかな。
葉裏の様子。
あらためて見てみると、昨年書いたときにはタイプがいくつかあるように感じましたが、この時期に見た様子ではどの株にもあまり差を感じませんでした。微妙な個体差や生育状態の差ということかもしれません。
アキグミより少し遅れて開花しだしていました。
今になってみるとなるほど海岸付近にはマルバアキグミが普通に多いようです。秋よりも多くの所で確認できました。
花の様子は特にアキグミと違いがあるのかどうかはわかりませんでした。
筒部が短めのもの。
別場所の株ですが、長めのもの。
葉表の様子。
赤褐色の鱗状毛は若い葉の方が多いようでした。
けっこういろんなところで生えているのが分かったので、この秋にはいい状態の果実をつけるものもみられるといいのですが。
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(2018年10月中旬、以下6枚追加)
昨年はほとんど見られなかった樹ですが、今年はずいぶんと実っていました。
少ない樹は少ない。
果実表面の鱗状毛。
果実の長さは7~8mmでした。
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