アキグミ Elaeagnus umbellata var. umbellata
海岸で見かけたグミ科落葉低木。
秋に果実(偽果)をつけるグミ類には、アキグミ(var. umbellata)とその変種や品種などがあり、変種には葉が丸くて厚みのあるマルバアキグミ(var. obtusifolia)や葉表に星状毛が生えるカラアキグミ(var. coreana)があります。(その他いくつかの品種についてはよくわかりません。)
他には別名でロシアンオリーブ、ホソバグミ、ヤナギバグミとも呼ばれるものが栽培されているようで、学名はElaeagnus angustifliaとされているようなのですが(Ylistではこの学名に対応する和名はホソグミとなっている。)、これも秋に果実をつけるようですが、ロシアンオリーブなどで検索した場合と学名で検索した場合とでは、出てくる花や果実の様子が異なるようです。原産地の中国名が「沙棗」なので、主に学名で検索したときに出てくるナツメに似た様子のものがそれなんだろうと思うのですが、だとしたらロシアンオリーブという名前で売られているものは何かまた別のものなんでしょうか。難しいことが多すぎます。
(追記2018年4月中旬:どうも葉や果実の様子から2タイプがある気がしてよく分からなかったので、タイトルに「(?)」をつけて、記事内にはそれぞれをAとBとし載せていましたが、どうやらBとしていた方は春に花を確認すると先に触れたロシアンオリーブと呼ばれているもののようなので別記事として載せることにしました(下部にリンク)。)
果実の様子。
ほぼ球形で、写真のものはリンゴのよう。
果実の径は1cmくらいありました。
短枝から出ています。長楕円形といった感じで葉先は尖るほどでないですが、全体にほっそりした印象の葉をしています。
葉の質感は薄いです。
長さは、3.5cm程度。
幅は1.3cmくらい。
株の下の方から伸びた枝についていた葉。
短枝と長枝につくものの差なのか、さきほどのほっそりした短枝についた葉と違い、そこそこ幅がある楕円形で葉先が広く丸いものや、長卵形で葉先は尖り気味のものがみられました。
葉の縁はやや外側に巻いたり、ゆったりと波打ったりしているものが多い。
その葉表の鱗状毛の様子。
(ほっそりした葉の方の表面の様子を撮り忘れました。特に違いがあるかどうかはわかりませんが。)
その葉裏の様子。びっしりと白い鱗状毛があり、褐色の鱗状毛が点々とある。
別日になりますが、同じく長枝の葉。
だいたい長さは5cmちょっと、幅は2.6か2.7cmくらい。
こちらの葉は長さは5cmくらいで、幅は3.5cmくらい。
アキグミの葉の幅は1.0~2.5cm程度とされているようなので、幅がずいぶん広め。葉の質は他と同じで薄いです。
こういう葉ばかりならともかく、たまにはこういうものもあるのだろうと思います・・・が、よく見ている植物ならば、「こういう葉もある」と簡単に言い切れるのですが、これまであまり見てこなかった植物なので、こうしたちょっとした違いがあると気になってしまいます。
枝先の若い葉の様子。
(追加画像)
(2018年4月中旬、17枚追加)
花が咲いていました。
果実の写真と撮ったものと同一のものですが、なんとなく背景の様子でもわかりますが、ずいぶん枯れ枝が多くなっていました。
花弁のように萼裂片は4で、初めは白っぽい色をしています。(後半は黄色っぽくなる)
花の大きさは7,8mmくらい。
萼筒部の長さは7mmくらい。
葉の様子。
葉表は銀色に見える。
あまり褐色の鱗状毛は見られないようでしたが、秋に撮った画像では見られたし、葉によりけりなのかな。(次↓に載せた別株の葉でははっきり見られる。)
別な株。
その秋の頃の様子。果実はありませんでした。
ずいぶん葉が大きくて、葉の表も銀色感がけっこうあります。
花の様子は特に変わりないかと思いますが、葉表の鱗状毛の密度は高めで銀色感がある。
微妙にこちらの方が大きい気はしますが、違うというほどでもない感じ。
葉表。さきほども書きましたが、鱗状毛の密度が高い。
葉裏は褐色の鱗状毛が点々とある。
咲き始めの花は白っぽく、後半の花は黄色っぽくなります。
こちらは公園の植栽。
そういえばこちらも果実がなっているのは見たことがないかも。まぁ、たまたまそれぞれの理由で果実が出来ていないだけかもしれませんが。
前半で載せているものと葉の感じが違うのは、前半で載せているものは枯れこんでいたことでもわかるように弱っているということもあるのかなぁ。それか前半のものも大きな葉はないことはなかったし、長枝と短枝につく葉の差かもしれないですが、なんとなく雰囲気が違うのが気になります。(これまたそれぞれ違う名前があったりして。)
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