ナンブアザミ Cirsium makinoi
林の中などに生えるアザミの一種。草丈は普通に人の背丈くらいまでになります。
(※のちにYlistを見て学名をC. nipponicumからC. makinoiに変更しました。C. nipponicumの和名はキタカミアザミ。)
頭花は横向き~やや下向きに咲き、総苞片の先には短い刺があり反り返ります。(開出程度もあります)
頭花はけっこう小型です。(下に追加画像あり。)
少々ですがクモ毛も見えます。さわった感じは微かに粘る感じがありました。
中間からやや下部にかけて30cmはあろうかという大きな葉がたくさんあります。写真のものはけっこう深く裂けていますが、切れ込みは中裂程度まででほとんど裂けないものもあるようです。
寒い地方ほど切れ込みがなく、暖かい地方になると切れ込みが深くなる傾向があるそうです。
(追記: あまり切れ込まないタイプもあったので下に画像追加しました。)
ナンブアザミは刺があまり目立ちません。
(追記:トゲの長さを測りました。下に追加画像。)
中間から下の大きな葉(葉柄)の基部。葉柄はないとされている?のかもしれませんが、ちょっとあるようです。いずれにしても茎は抱きません。
上部では葉の切れ込みはほとんどありません。
茎には白い毛が少々生えているようです。一つ上の茎上部辺りの方がよく見えるかも。
いろいろ被って見ずらいですが、矢印の先がナンブアザミの茎(株元)。花期に根生葉はありません。
まだ今シーズンは咲き始めでほとんど蕾です。
昨年10月初め頃の写真。
やや反り返り具合は弱く開出程度の花。
なぜか上が切れている変な写真で、葉の様子を撮った写真だったのか忘れましたが、たくさんの花が咲いている状態。
場所は同じですが、総苞片の長さが昨年の写真の方が短く感じます。
ナンブアザミは地域により個体差や変種があったりするし、そもそもがアザミ類は詳細がわからないものなどたくさんあって見分けを考えるととても複雑な仲間です。
因みに、ナンブアザミの「ナンブ」は岩手県南部地方の「南部」。南部地方というのに地理的には岩手県の北部の地域を指すという、余談ですがこれまたややこしい話でした(笑)
そんなわけで東北地方に多いとされますが、分布域的には本州中部以北~東北のようです
(追加画像)
(2017年9月下旬、以下10枚追加)
葉の切れ込みが浅いタイプもありました。
でも下の方でちょっと切れ込みが深いかも。虫食いでわかりませんが。
一応、花径。
花の状態がよくないのと、花径といっても雌しべの長さが関係してくるのでどうかと思いますが、雌しべまで含めて上の写真では3cmくらい?、下の写真では4cmくらいでした。
トネアザミと思われる花も記事をあげましたが、同じような測り方をしたところ5~6cmあり、見た目にも明らかにこちらの方が小さく見えます。(トネアザミとナンブアザミの頭花の大きさの差についての情報は特に見つけられていませんが。)
総苞片の反り返り具合や長さは個々に差がありました。
上部の葉。
茎の中間の葉。
トゲは長いものでも4mmちょっと。短いものは2mm程度でした。
単に古くなったものでそうなのかわかりませんが、正面から力を加わえると痛いより先に折れてしまい、痛さもあまりありません。
よく成長して高くなっているからかもしれませんが、根生葉だけでなく下葉もけっこう落ちているようで茎だけの部分が長いです。
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(2018年10月中旬)
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