シロホトトギス Tricyrtis hirta f. albescens
通常のホトトギスと違い、花被や雌しべや雄しべが白色で紫色の斑点のない品種。
秋に葉腋ごとに複数の花を上向きに咲かせます。
花被片は内外3枚ずつの計6枚で、細い方が内花被片。
いわゆる完全な「白花」ではなく、それぞれの花被片の基部付近には橙色の斑点があります。
個性的な柱頭がよく目立ちます。
花径は約3cmほど。
柱頭には透明な腺が多数ある。
子房部は6本の雄しべの花糸に囲まれている。
葯の色は白色で、花粉は褐色。
同じように花が白色をしたホトトギスでも葯の色が桃色をした'白楽天'という園芸品種もあるようです。ただし、葯の色合いは紅紫色であったり濃淡に個体差のようなものがあるというような話もよく目にします。種子でも育つので、特徴が変化しやすいのかもしれませんし、中間的なものがあっても不思議でない気はします。
花被片、雄しべが萎れて子房が露出した様子。
外花被片の基部には丸い距があります。
いくつかの蕾はよく育たず閉鎖花気味になったものが見られました。
例年見られていたかどうか記憶になく、結実するかどうかも不明です。
花柄の基部には小苞がある。
葉は長楕円~長卵形、披針形。葉の基部は完全に茎を抱く。
両面とも毛が多く、それよりさらに短い腺毛らしきも見えます。
茎には開出~やや上向きの長毛が多い。
茎は途中でいくつか分岐がみられることもある。
(2016年6月上旬)
初夏の様子。
(2017年4月上旬、春の芽出しの様子、以下2枚)
たしか、落ち葉などを払ってみた状態かと思いますが、根が横によく広がっていました。
若い果実の様子。
上からみると3稜形というより翼が3つある様子。
先端には花柱の痕跡が3つ残っている。
熟した果実の様子の写真がなく記憶が曖昧ですが、熟してくるともう少し膨らんでくるものと思います。
この時点での長さは2.5cmほどでした。
果実は蒴果で、熟すと中にユリのような薄い種子がたくさんできます。