シトラスタイム(レモンタイム) Thymus x citriodorus
シソ科の常緑小低木で、柑橘系の香りからレモンタイムとも呼ばれるハーブの一種。栽培品種がいくつかありますが、写真のものの栽培品種名までは不明。
以前は、タチジャコウソウ( T. vulgaris )とラージタイム( T. pulegioides )の交雑種と考えられていましたが、現在はDNA分析によ関係性がないことが明らかになり、「x」を付けず一つの種として Thymus citriodorus と表記されることも多いようです。
木質の古い枝は横に這うように広がりますが、花や葉を付けている分枝はほぼ直立し、全体としてはこんもりとマット状。
ハーブとしての利用の他、グランドカバーなどとしても植えられます。
花冠はシソ科らしく唇形花で、上唇は浅く2裂、下唇は中程度に3裂し中央の裂片がやや長め。花冠外側や、内部~花喉部付近などに毛があります。
萼筒上部の萼歯は浅い三角状のものが3つ、下側には細長いものが2つあり開出~斜上する短毛があります。
栽培品種により花色も違いがあると思いますが、写真のものは、咲き始めの花色はピンクが濃い目で、段々白っぽくなっているようです。
雌しべは上唇より突き出て、先の方で2岐しています。
改良の影響なのかよくわかりませんが、雄しべを持つ花は見当たりませんでした。
(2017年5月下旬)
古い写真を見てみると、花喉部の四つ隅に退化した雄しべの痕跡のようなものがありました。
花冠の正面からの幅は、約4mm。長さは萼筒まで入れて6mmくらい。
小花柄には下向きの伏した白い短毛がある。
小花柄基部には小さな小苞がある。
葉には短い葉柄があり対生し、葉身は楕円形で先は鈍く、縁は全縁。
長さは平均的なもので1cm弱。
葉表や縁にやや微毛があり、腺点があります。
葉裏にも腺点と微毛があります。
茎の断面は四角。下向きの白い短毛が多い。
下部は木質で、横に這うように広がっていて、よく分岐し若い枝が直立しています。
株元の方の一番太い部分で径7、8mmくらいありました。