Familiar Flowers 2

身近で咲く花たち。

シュロ Trachycarpus fortunei

花期の様子

ヤシ科の常緑高木で、古くから庭木として植えられてきたほか、林内では野生化したものも普通に見かけます。

 

若い株

若い株。

 

花芽が出てきた頃の様子

花芽が出てきた頃の様子。

雌雄異株とされますが、稀に同株のものもあるとする解説、雌花花序には両性花が混じるとする解説、あるいは雄花と雌花の両方を付けるものもあるといった解説が見られました。

同株というのは、雌性両性同株なのか、それとも雌雄異花同株なのか、そしてそれらは稀なことなのか、普通のことなのか、どうもよく分かりませんでした。

枝を出さない樹ということもあって、花の位置も高く、実際に花序の様子をしっかり観察することもなかなか難しいです。

 

雄花花序1

雄株、雄花花序の様子。

 

雄花花序2

雄花花序3

雄花花序はウニのような感じで、小さな花が多数密集しています。

あまり近くで撮ることが出来なかったので、詳細は見えませんが、雄花は花弁3枚で雄しべは6本、退化した雌しべが3つあるそうです。

 

雌株の花期の様子

雌株、雌花花序の様子。

先に書いたように雄花が混じるのか、両性花が混じるのか、またそれらは稀なことなのか、などについては分かりませんが、とりあえず「雌株の雌花花序」としています。

やはり間近で観察出来ていませんが、雌花は花柱が3つと退化した雄しべ6つがあるようです。(花弁は同じく3枚?)

 

花後の雄花花序

因みに、雌株の雌花花序が咲き始めるころには近くの雄株の雄花花序は、この写真のようにすでに花が終わっていました。

 

葉の様子

葉は半円形で深裂しています。一般的な解説を参考にすると葉の長さは50~80cmほどで、葉柄は1mくらい。葉柄に関しては150cmくらいあるものも見かけました。

葉は成長してくると、葉柄が垂れ、葉の裂片もよく垂れ下がります。

似た仲間のトウジュロは、葉身の長さが半分ほどで、裂片はほとんど垂れ下がりません。

 葉表 裂片

小さい株で撮ったもの。光沢があります。

トウジュロの葉は比較的しっかりと裂片が谷折りになっていて強度がありそうですが、シュロの裂片は谷折り具合が弱い(葉の質も薄めかもしれない)こともあってよく折れるのではないかと思います。

 古い葉柄の垂れ下がる幹の様子

庭木などで手入れされているものでは、古葉は落とされてすっきりしていますが、自然の状態では、葉が枯れても葉柄はぶら下がったまましばらく残っています。

 

垂れ下がる古い葉柄

葉柄の縁

葉柄は断面は上面が平らな三角状で、縁には鋸歯があります。

 

シュロ毛1

シュロ毛2

単子葉植物で、毛状のものは葉鞘だそうです。網状になっています。

シュロといえば園芸で利用される「しゅろ(棕櫚)縄」が浮かびますが、現代では化学繊維で作られたものの(人工しゅろ縄)が一般的です。

他にはタワシやホウキなどにも利用されてきました。

 

若い果実の様子

若い果実の様子。

もう少し熟すとブルーベリーのような粉を吹いた青黒い色になります。

 

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