ホウレンソウ Spinacia oleracea
食用として栽培されるほうれん草の花です。
雌雄異株の他に、雌雄異花同株、雌性両性同株のこともあるそうです。
雌株の様子。
風貌は同じヒユ科のホソアオゲイトウなどを彷彿とさせる草姿をしています。
写真のもので草丈1mくらいあります。
株元付近の茎は赤味を帯びます。
雌花の様子。
数個の花が葉腋ごとに固まって付きます。
花弁はなく萼片は2つ、その間から雌しべの長い柱頭が4本出ています。
成長した花では小苞の端が嘴状に伸び、よく目立ちます。先端は針状になっています。
中には3方向に伸びているものも見られました。
柱頭の長さは6~7mmくらいあります。
こちらは雄株ですが、3週間くらい前の写真になります。
その当時、雌株の茎はまだ伸びていませんでした。
同じ環境なら雄株の方が早くに成長し花をつけるものなのか、それともたまたまなのかまでは分からないのですが。
雄花は葉腋から花序が長く伸び、花は段々に離れて集まっています。
萼片(花被片)が4枚あり、雄しべも4本あるのが見えます。
開く前の葯は大きくて目立ちます。
萼片(花被片)は、縁が白っぽく中肋が緑色。
-------
葉の様子。
葉は全体的にたくさん付きます。上部の葉ほど小さくなりますが、小さくても葉柄はあります。
葉の形状は矛形で、数回中裂。
葉柄は無毛。
余談ですが、一つ前の写真をみると、葉の裏表が逆になっています。日を求めて葉柄が捻じれたようです。
葉裏には粒状物があります。
よく見ると粒状物は毛のようなもので繋がっているように見えます。
いずれは落ちてしまうもので、なんらかの代謝物と考えられているようです。
雄花の様子を撮った3週間くらい前ではもっとたくさんの粒々が見られました。
茎は無毛。
若い果実(小苞の突起を含め)は長さ1cm強。
熟しても小苞はそのまま残り、中に痩果があると思われますが、また後日確認してみます。
(6月上旬、果実期、以下5枚)
大きさは若い時期に測ったものと大差なし。
ヒシのような見た目で、トゲも硬く痛い。
中に痩果が1個ある。
果実により大きさに差がある。
右側のものは表面がつるんとしていますが、取り出すときに果皮が取れてしまった種子の状態かも。渦巻き状の様子をしていました。