ミヤコワスレ Aster savatieri cv.
(2010年5月上旬)
庭で栽培されるキク科の花で、ミヤマヨメナの栽培種。
(2010年5月上旬)
ミヤマヨメナは通常、淡い紫色を帯びた舌状花の色をしていますが、ミヤコワスレではより鮮やかな紫色や桃色、或いは次の写真のような白花などがあります。
ミヤコワスレという名は、鎌倉時代、承久の乱後に佐渡へ流された順徳天皇が詠んだとされる「いかにして契りおきけむ白菊を都忘れと名づくるも憂し」という歌の中にある「都忘れ」に由来しています。順徳天皇が愛でた花が実際にこの花であったかについては疑問視されていますが、真実はどうであれ、深みがあっていい名前です。
草丈は30cm程度。地下茎で増えます。
一般的にミヤマヨメナの舌状花は12枚程度までと少ないそうです。
この写真の花も12枚ではありますが、他の花では18枚のものもありました。
舌状花は雌性花で雌しべだけがあります。
筒状花は両性花で、葯筒を通り雌しべが伸び、花冠の裂片は強く外に巻いています。
頭花の径は3~4cm。
総苞片は2列あり、ほぼ同長。
頭花のすぐ下、或いはやや離れて細い葉が2,3枚あり、茎は上向きの毛がありました。
茎の中間に付く葉には粗い鋸歯があり、葉柄ははっきりせず、基部は茎を少し抱いていました。
下の方に付く葉や、根生葉では葉柄が長く翼があります。
下の方の茎の毛は開出したものが見られました。
目立つほどではないですが、両面とも毛がありました。