オオモミジ Acer amoenum
ムクロジ科の落葉高木。太平洋側の山地に自生するほか、庭木や公園樹として植えられます。
葉の展開とともに花序を垂れ下げます。
イロハモミジからだいぶ遅れて花が咲き始めました。
同一花序に雄花と両性花が咲きますが、雄花はまだこれからで、両性花が先に咲いています。
オオモミジの園芸品種であるノムラカエデ(ノムラモミジ)もほとんどの両性花がそうでしたが、2個の柱頭は閉じていて外にカールしているものは見当たりませんでした。ノムラカエデの様子からすると絶対に開かないわけではないと思うのですが、そういう傾向があるのかも。
両性花は発達した翼を持つ子房があり有毛。
周囲に短い雄しべが8本あり、葯は黄緑色。花弁は白っぽい。
鱗片は有毛。
若い葉は白い毛が多く、遠目に見ると実際の葉色より淡い色に見えます。
葉縁は細かい単鋸歯が並びます。
イロハモミジやヤマモミジでは欠刻のある重鋸歯。
(2018年6月上旬)初夏の様子。
イロハモミジと比べると葉の裂片に幅がある傾向が強く、別名ではヒロハモミジと呼ばれることもあるそうです。
鋸歯は若葉のときと同じように細かな単鋸歯ですが、よく見ると2つくらいの鋸歯がセットになっている部分もあったり、完璧な単鋸歯を持つ葉ばかりでもないようでした。遠目に見れば、イロハモミジのそれとはだいぶ違いますが。
この時期の葉表は全体的にはほぼ無毛。葉柄の上面に溝がない。
葉裏も全体的に毛は少なくなっていますが、葉身基部付近の宿存する毛はがあります。
他に側脈の葉腋に白っぽく短い毛の塊りが見えます。こちらは宿存かどうかはわかりません。(白く見えるもののうち一部はハダニ)
樹皮は滑らかで縦の筋がある。
こちらの方が古木で、やや木肌は荒れ剥離も見られる。
若い果実の様子。葉の下に垂れ、翼はほぼ水平になる傾向がある。
花時には子房の毛がありましたが、この時点ではほぼなくなっている。
この時点での分果は2cm弱。
こちらは花期に落ちていた果実。
分果は2.2cmくらいありました。
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