ノムラカエデ(ノムラモミジ) Acer amoenum 'Sanguineum'
若葉が紅色を帯びるオオモミジの園芸品種。
このあとは、だんだん暗紅色になり真夏には暗緑色になるのですが、同じオオモミジの園芸品種に'Shojo nomura'(猩々野村)というものもあるそうで、そちらは夏でも葉は紅色を保つらしいです。イロハモミジの園芸品種である’出猩猩’と混同されそうな紛らわしい名前ですが。
猩々野村については後から知ったのですが、おかげで夏葉の色を確認したことがない樹で撮った写真はお蔵入りになりました。
(2017年4月下旬)
展開仕立ての若葉は白い毛がよく目立ちます。
園芸品種名の'Sanguineum’は「血紅色(血のような紅色)の」という意味。
因みにこの年は花が付きませんでした。それなりに古い樹ではありますが、微妙な充実具合によって花が付かない年もあるようです。
通常では、葉の展開とともに花序が出て、雄花と両性花が混じった花序をぶら下げます。
初めに両性花が咲き、そのあとに雄花が咲きます。
花弁はやや白味があり、雄しべは短いものが8本、雌しべの子房には翼が目立ちます。
イロハモミジなどもそうでしたが、中には雄花しかない場合もあるのかもしれません。
花径は7mmくらい。
ところで、まだ咲き始めなので2つの柱頭が開いていないのかと思ってこの時は見ていたのですが、後の様子からすると開くものもあれば、開かないままのことも多いのかもしれないと思うのですが、どうなのか。
雄花が開花しだした頃の様子。雄花では雄しべが長く突き出しています。
中央に写る雄花の後ろに隠れている両性花の柱頭はよく開いていますが、その左に写っている両性花の柱頭はあまり開いていません。
現在は雄花がピークになりはじめ、両性花は花弁や雄しべが落ち終わりかけのものばかりになってしまっていますが、どうも2つの柱頭が開いていたようには見えないものの方が多いようでした。
てっきり当然のように開くものだと思い、咲き始めからの経過は観察していませんでした。
こちらはたまたまの花ですが、翼が目立つ雄花がありましたという写真。(写真中央に写る雄花)。
若い葉の鋸歯。
オオモミジの特徴で、鋸歯は細かな単鋸歯。イロハモミジやヤマモミジは欠刻がある重鋸歯。
(2016年5月下旬)
この頃には暗い色に変化します。
真夏の葉の様子を撮っていませんでしたが、このあと暗緑色になります。
樹皮は滑らかで縦縞模様がある。
(2016年5月下旬)若い果実の様子。
翼果は水平~鈍角に開いています。
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