ハナモモ Amygdalus persica
庭木などでよく見かける、花を観賞するために改良されたモモの園芸品種群。
花色は紅色や桃色、白色、或いは咲き分けなどあり、花弁が細いものなどもあります。
樹形にはこの写真のもののような立ち性の他にも、枝垂れ性のものや、あまり枝が横に広がらずに直立する箒立ち性と呼ばれるものがあります。
花は梅のように花柄がほとんどなく枝にまとわりつくように咲いています。
この花のように、普通は多数の雄しべと雌しべが1本なのですが、
なぜか、こちらの桃色の花は花柱が2本あるようです。(他の写真で確認したところ3,4本あるものもありました。)
花柱が複数ということは心皮も複数?・・・どういうことなんだろう。特に情報は見つけられませんでした。
萼裂片や芽鱗などに毛が見られます。
萼裂片は果樹としてのモモは5枚のようですが、写真のハナモモでは副萼状に2重になっているようでした。
ところでハナモモの八重の場合、その花弁は雄しべが変化したものというわけではないのでしょうか?通常のモモの方がむしろ雄しべが少なそうで、ハナモモになるとむしろ雄しべも増えているように見えます。花弁も増えて雄しべも増えて、なぜか副萼のような萼までというのはどういう状態なんだろう・・・。花弁などは葉がそもそもの由来ということから考えると、花の各部となる葉がたくさん形成された状態ということでしょうか。
(2018年6月下旬、以下7枚)葉の様子。
葉は長楕円形で互生。若い枝が紫褐色。
葉縁には低い鋸歯がたくさんある。
葉裏の脈沿いなどに毛が見られる。(葉表は未確認)
葉身基部や葉柄上部に蜜腺があります。
園芸品種によりけりかもしれませんが、ハナモモでも果実が出来るようです。
といってもこの樹になっていたのは、これ1つでしたが。
小さいですが表面の白い毛にモモらしさがあります。
長さは約2.5cmでした。花時より果柄は長くなっているようです。
株元付近ではそうでもないですが、樹皮はやや白っぽい感じがあり、横長の皮目があります。