ヤドリギ Viscum album ssp. coloratum
落葉広葉樹に半寄生するビャクダン科の常緑小低木です。
この写真の宿主の樹はエノキ。
(2018年4月中旬)
写真中央に見える葉が緑でこんもりとした塊りがヤドリギ。(こちらもエノキ)
「ヤドリギかな?」と思っても、かなり高い位置に生えている場合もあり、そうなると観察しようがないのですが、たまたま人の背丈ほどの位置で見つけたものを観察することができました。
トンボのように見える枝先の葉の間に、小さな花を咲かせていました。
雌雄異株です。写真は雌花。
黄色味あるいは橙色を帯びた花被片は4枚。中心に雌しべがあります。
花径は3mmに満たない様子。かなり小さいです。
雄花は倍以上あるようなのですが、未確認。手ごろな高さで雄株もあればいいのですが。
花期が終わりかけて一部花被片が落ちていますが、子房が見えます。(花被片基部あたりの膨らんだ緑色の部分)
熟した果実は液果で、普通のヤドリギの果実は透明感ある黄色をしているようですが、赤く熟すものもあり、それについてはアカミヤドリギ(f. rubroaurantiacum)という品種名もあるようです。
ちなみにヤドリギの基準の亜種はセイヨウヤドリギ(ssp. album)で、果実は白色だそう(他の違いはわかりませんが。)
見た限りではいずれも一つの花序に花は3つずつでした。
花序の長さは7,8mm程度。
花序の基部に小さな葉が見えますが、花序を挟んで対になっているのかと思いきや、よく見ると、2枚が重なっていました。
新しい芽として葉が展開し枝が伸びていくのだろうと思います。
一点から2分岐以上枝分かれしています。
枝の分岐部分の様子。
枝は無毛と説明されているようですが、よく見ると星状毛らしきが見えます。(違うのだろうか?)
葉の長さは7cmくらい。質は革質
葉表の様子。
葉裏の様子。
葉も無毛と説明されているのが普通のようですが、両面ともに、こちらは星状毛というより鱗状毛のようなものがあるように見えます。
株元の枝の様子。
エノキとの結合部分の様子。
(追加画像)
(4月中旬)たくさん寄生されているエノキ。