シナレンギョウ Forsythia viridissima
庭や公園などによく植えられているモクセイ科の落葉低木。
一般的に「レンギョウ」と呼ばれ栽培されるものには、このシナレンギョウの他に、レンギョウ(F. suspensa)、チョウセンレンギョウ(F. koreana)、和名不明でレンギョウとシナレンギョウの交雑種とされる(F. x intermedia)があります。(お店では「レンギョウ」として売られていても、ラベルをよくみると学名がF. intermediaと書かれていたりするのを見かけます。)
シナレンギョウは開花に伴い枝先の葉も同時に展開し始めます。
シナレンギョウ、チョウセンレンギョウ、レンギョウの3種の中ではシナレンギョウが一番分かりやすい外観上の特徴があるように思います。(インテルメディアと呼ばれるものにはいくつかの園芸品種があり、それらがどういった特徴なのかいまいち把握できておらず、シナレンギョウ寄りの特徴を持ったものがあるのかどうかまではわかりません。)
(3月中旬)蕾の時期の様子ですが、すでに葉が展開はじめているものもある。
レンギョウやチョウセンレンギョウでは、花が葉の展開にさきがけて開花する。
花は下向きに咲く。
雌雄異株ともいわれますが、厳密には長花柱花と短花柱花で一応どちらも両性花。
日本で栽培されているシナレンギョウの株は長花柱花がほとんどといわれているようです。ただし、絶対に長花柱花しかないのかどうかは分からないし、種を判断する材料としては弱い気がしますが。
花冠裂片が他のものよりほっそりしているのもシナレンギョウの特徴の一つ。
写真のものは5mmちょっと。(すこし縁が巻いているので正確にはもう少しあるとおもいますが。)
花冠の裂片は写真のもので2cm弱。
萼片は花冠の筒部に着き、長さは筒部よりあきらかに短い。
萼片は3mm程度。4枚のうち対になる2枚が特に紫褐色を全体に帯びていて目立つようです。(少々の濃淡はある。)
花柄が見えています。いくつかの芽鱗が残っています。
花柄は6mmくらいでした。
(3月中旬、以下2枚)蕾時期の様子。
後日載せるつもりでいるチョウセンレンギョウと思われるもの、あるいはインテルメディアかもしれないものでは、花柄が芽鱗に隠れているのですが、シナレンギョウでは花柄が見えているのがほとんど。
花期の枝先の若い葉の様子。
シナレンギョウの成葉は細長いですが、若い葉はあまりそういった感じはしない。
枝の内部は髄が梯子状にならび、節の部分でも髄がつまらないというのがシナレンギョウの特徴なのですが、他所の植栽で勝手に枝を折るのも問題だし、いちいち確認のために植物個体に傷をつけるのも嫌だしで、確認が難しい特徴です。
刈り込まれている株では、刈られて枝先が枯れこんでいる部分がけっこう見られるのでその枝で確認しました。それでも、古くなり過ぎた枝や、やや太い枝では、空洞になってしまっていたりするしで、厄介です。
枝内部の様子は例えばレンギョウでは節以外が中空という特徴があるとされますが、どの時期の枝のどの位置で確認するといった情報が特にないのも困ります。インテルメディアに関してもよくわかりません。
幹枝には皮目が目に付きます。
(2018年5月下旬)初夏の様子。
成葉は長楕円形で細長い。写真のものは長さ10cmくらい。
葉の質は、日当たりのいい場所の植栽では厚みを感じましたが、日陰のものでは薄いようでした。
鋸歯は多くの場合、上半分にあります。
鋸歯の様子。
葉先の様子。
葉の基部は楔形~円形。
葉裏の様子。
鋸歯はどの葉でも絶対に上半分というわけでもない。
枝の基部寄りには全縁のものもよく見られました。
葉の形も細長くなく、長卵形のような感じが見られる。
葉は対生。
葉柄は1cmくらい。
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