オオバグミ(マルバグミ) Elaeagnus macrophylla
公園の植栽でみかけたグミ科の常緑低木の果実。
春に果実を付けるグミには他にナワシログミやツルグミなどがあります。
これまでいろいろと気になる点があって、この樹をオオバグミ(別名マルバグミ)としていいものか迷っていましたが、果実の様子からオオバグミと考えることにしました。
オオバグミの特徴で、果実の表面が鱗状毛でびっしり覆われてやや白っぽさがあります。(ナワシログミは形は似ていてもここまで鱗状毛が密でない。)
果実の長さは1.7cmくらい。
葉の大きさは、その他の写真を見てもわかるようにけっこうまちまち。生垣状に刈りこみされていることなどが影響してるのかも。
別名マルバグミというように、円形に近いような葉もあるらしいですが、そこまでのものはざっと見た限りみられず、たいていは卵形~やや長卵形のような感じ。基部は円形。
この葉は目立って大きかった葉ですが、だいたい9cmくらい。(幅は5.5cmくらい)
後に載せた以前測ったものもほぼ同じくらいでした。(偶然同じ葉を測っていたりして)
葉柄は1.8cmくらい。
これまでは1.5cm程度が最高でしたが、やっと2.0cm近い葉柄に出会いました。
成葉の表面は鱗状毛が落ちていて、光沢を感じる。
葉裏は白っぽい鱗状毛が密で、赤褐色の鱗状毛が点在する。
果実期の若い枝の様子。枝先ほど赤味が強い。この時期、若い葉はまだ展開前。
(2018年10月上旬、以下20枚)ここからは昨年秋の花期の様子。
花(萼)の形は筒部など基部から角ばっています。
筒部と裂片の長さのバランスは共に5mmくらいでほぼ同長。
花は後半、黄色味を帯びる。
このときの様子も、やはり葉の大きさはまちまち。
このときも目についた大きいものを測って、葉身の長さは9cmくらい。幅は、5.6mmくらい。
葉柄は1.5cmくらいでした。
その基部にトゲがみられましたが、他を見回してみても見当たらずなので、短枝がトゲになることは少ないようです。
一般的にはオオバグミはトゲがないともされていますが、性質的に短枝が絶対トゲにならないとはいえないと思うので、少しくらいあってもおかしくないとは思います。
成葉になったものでは葉表の鱗状毛はほぼ落ちてしまっていますが、その一歩手前くらいの葉表の様子。
白っぽい鱗状毛が多いですが、赤褐色の鱗状毛も点在しています。
徒長した枝先。
若い葉ほど、表面は赤褐色の鱗状毛が多く、銅色。
成葉の葉裏。白っぽい鱗状毛が密で、赤褐色の鱗状毛が点在。
それよりやや若い葉では、白味が弱い。
若い枝は赤褐色の鱗状毛で赤く見える。
樹皮には丸い皮目がある。
これまでは、葉の形状、葉柄の長さ、萼筒と萼裂片のバランス、トゲの有無など細かな点で、オオバグミの例としてよく見かける典型的な?画像や情報とは、少々異なる点が見られたりしたこともあり、もしかしたらオオバグミとナワシログミの交雑種であるオオナワシログミなのではと考えたりもしていました。しかしながら、一応はオオバグミの変化の範囲内でありそうだし、今回確認した果実の鱗状毛の様子も踏まえると、あまりにナワシログミの要素が少なすぎるということから、むしろ中間的と考える方が不自然であり、オオバグミだろうと考えることにしました。
おそらく難しいグミ類ということで考えすぎてしまったように思います。
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