ヒエンソウ Consolida ajacis
特に似た花もないかなと思っていたらYlistで検索すると「ルリヒエンソウ(C. regalis)」という花もあることを知りました。
違いについては海外のサイトになりますが Illinois Wildflower というサイトを参考にすると、ルリヒエンソウはヒエンソウに比べしばしば青紫が薄く、上側の花弁が合着し、果実(袋果)は無毛ということでした。画像検索すると青味を欠いた紫色で少々ヒエンソウとは花の様子が違うものが出てくるので、おそらくそれがルリヒエンソウなんだろうと思います。
たまに道端に逸出したものが見られますが、こぼれ種で数年は育つことがあっても、いずれ消滅してしまうことが多いと思われます。うちで以前育てたときもそんな感じでした。(因みに、写真のものも道路沿いですが逸出品ではありません。)
この場所ではまだずいぶん花が咲いていましたが、大抵は花期は終えているものがほとんどです。
本来はもっと早くに、縁石沿いで咲いていた花を撮って載せるつもりでいたのですが、撮ろうと思った矢先に除草剤を撒かれてしまったため、タイミングを逃してました。
綺麗な花色と長い距が目を引きます。
花色は他に白色や桃色系などもあります。
5枚ある花弁状のものは萼片由来のもの。そのうちの上側の一枚の後部が距になって伸びています。
本来の花弁は中心にある小さなもので、画像ではくっついてみえなくもないのですが、先ほどの海外サイトによると上下2枚ずつの計4枚とのこと。
それらに雄しべなどは包まれています。
少し開いていたので白い花での様子になりますが内部の様子。
雄しべが多数ありますが、奥の方に白くて短いものが1本見えますがそれが雌しべでしょうか。
若い蕾では萼の色はまだ緑色を帯びているようです。
ヒエンソウはConsolida属でなくDelphinium属とされていることもありますが、デルフィニウムというのは蕾の形がイルカに似ているということから来ているようです。
因みに再び先ほどの海外のサイトによれば、デルフィニウム属は多年草であるということの他に、雌しべが3本あるというのが特徴のようです。(コンソリダ属は一年草で、雌しべは1本。)
デルフィニウム属のセリバヒエンソウ(D. anthriscifolium)の実物は見たことがありませんが、画像検索で果実を見るとヒエンソウと違い袋果が3つあるようなので、なるほどと思いました。
外花被は有毛で腺毛が混じっているのが見えます。
花がついている上部の茎の様子。腺毛まじりの毛があります。
下の方の茎ではほぼ無毛になっていまいた。
羽状に数回裂けた葉の基部寄りの裂片が茎を抱いています。
葉には短毛が見えます。
葉の全体的な様子。
果実(袋果)の様子。
初めに書いたように、果実に毛があるのが特徴の一つ。
縫い目状に片側が裂けて、中に種子が見えています。
落ちていた種子の様子。色は黒く、表面にはひだ状に隆起がありました。