ハマサオトメカズラ Paederia scandens var. maritima
アカネ科のつる植物で、ヘクソカズラの海岸型変種です。特に分けないのが普通です。
花などの様子は特に違いはなく、葉に厚みがあり表面に照りがあるのが一応の特徴。
ただし変化は連続的で、強い日差しや風の影響などで葉が変化しただけに見えます。
ということでヘクソカズラと別記事で載せる必要もないのですが、花の名前を「ハマヘクソカズラ」とせずに、ヘクソカズラの別名の一つ「サオトメカズラ」の方に「ハマ」を付けたという名前に価値を感じて載せておくことにしました。
花冠の内側には腺毛が密生しています。
雌しべ2本が見えますが、5本ある雄しべは内部にあり外からは見えないようです。
花序は短い集散花序。
萼裂片は5つ。
葉表に光沢があり、質は硬く厚みがあります。
葉表は一見無毛に見えますが、よく見ると短毛が散生しています。
無毛と解説されていることもありますが、変化を考えると完全に無毛の場合もあり得るのかも。
因みに日光あるいは風の影響が少ない他の草たちに隠れた下部の方の葉では、特に光沢も厚みもありませんでした。
実際、厚みや光沢が中間的なものも普通によく見かけますし、海岸でなくとも厚みや光沢があるものを見かけることもあります。
たとえば今回載せているものも、挿し木したりして別環境で育てたなら、普通のヘクソカズラになるような気がします。
葉裏は全体的に毛がありました。
葉裏の毛の量なども変化があるのだろうと思います。
葉柄の縁に曲がった毛がある。
葉は対生。葉柄基部の間に1対の托葉があります。
茎には葉柄にあったのと似たような曲がった毛が疎らにありました。
その昔はおそらくヘクソカズラという名付け方をしても抵抗がなかった時代だったのかもしれませんが、なんとも可哀そうな名前です・・・しかし、そんな名前だからこそ注目され「意外と可愛い花」と気づかれたりもされているかと思うので、そう考えてみれば悪いことばかりでもなく、ヘクソカズラはマイナスをプラスに変えた?そんな花なのかもしれません。
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