サンゴジュ Viburnum odoratissimum var. awabuki
公園樹や生垣としてよく見かけるレンプクソウ科の常緑高木(小高木)。
材に水分が多いので防火のために植えられるといったこともあるようです。
円錐状の花序は重いのかやや垂れ下がっています。
花冠の裂片は5つは、強く反り返り、雄しべが5本飛び出します。
こちらは裂片がまだ反り返っていない、咲き始めの花。
萼裂片は小さい。
くもの巣ような糸にぶら下がっていたもの。
こうしてみると、花筒が意外と短い。
花が散ったあとの萼と雌しべの柱頭。
花径は裂片が反り返ったもので5mmくらい。
花の長さも同じく5mmくらい。
葉は長楕円形~やや広披針状。葉身は写真のもので15cmくらい。
(2017年8月下旬)
こちらは別場所で昨秋に撮った葉。葉の縁は全縁または低い鋸歯になるものもある。
葉は革質で厚く、葉表の光沢が強いです。
葉裏には腺点が多数あり、無毛かと思いきや毛もみられました。
(2017年8月下旬)
脈腋に褐色の毛があります。そこまで確認してませんが星状毛らしいです。
(2017年8月下旬)
同じ葉ですが、葉身の基部や葉柄~主脈にかけても星状毛が少々みられました。
葉の付き方は対生。若い枝に皮目があります。
(2017年8月下旬)
秋の枝の皮目。
樹皮には皮目が多数あり、古い部分では細かく剥離していました。
(2017年8月下旬)
ここのものは花もあまりよく咲いてなかったし、状態の良い樹でないですが、初秋の果実の様子。
しっかりつけばたくさんの赤い果実がなりますが、その果実の様子が「サンゴ(珊瑚)」とつく由来。
(追記:後に実付きのいいものも追加)
果実はほぼ球形で長さ幅ともに7mmくらい。先端に萼裂片が残っています。
(10月上旬、以下3枚)
たくさん果実が出来ている様子。
赤い果実に混じって一部は熟して黒くなっています。
場所によってもっとたくさんの果序を下げているものも見かけます。
熟した果実の様子。