シャクヤク Paeonia lactiflora
庭などで園芸栽培されるボタン科の花。
似た花のボタン(P. suffruticosa)は木本ですが、シャクヤクは草本。
草丈は写真のものは1mくらい。
園芸品種が豊富で、花の咲き方は一重咲き、金しべ咲き、翁咲き、手毬咲きなどなどさまざま。(写真は一重咲き)
花色は白~桃色が基本のようですが、濃赤色の花などを咲かせるオランダシャクヤク(P. officinalis)別名セイヨウシャクヤクと交配されたものもあり、ボタンとの交配で作られたハイブリッドシャクヤクと呼ばれるものでは黄色系の花も咲かせるようで、花色も多そうです。
写真のものは自宅庭のものですが、花の様子からは’大花筏'という園芸品種かなと思うのですが、購入時にそういった表記があったかは覚えていないのでわかりません。
咲き始めの花は花色が少し濃く小振り。
花弁はだいたい9~10枚で、一重咲きの花です。
花径は12cmくらい。
雄しべは多数。花糸、葯ともに黄色で目立ちます。
中央に雌しべが見えますが、心皮は3~5のようです。
花弁が落ちた花後の柱頭の様子。くるりと外に巻いていました。
黄色っぽい部分が花盤かと思うのですが、子房に沿うようにある「歯」のような白っぽいものはなんだろう。
花の裏側を見ると、少し白っぽい色をした萼片3枚と、形に違いがある苞葉が複数枚ついていて、普通の葉を細くしたようなものから、萼片より小さく円いものまであり、円いものでは先が細長く伸びています。
小さく円い苞葉の先の様子。
茎の途中で分枝はなく、上部では複数の花柄が出て花を付けます。
葉は下部につく葉は裂片5枚に深裂~全裂しています。
基部寄りの裂片ではさらに裂けているものもありました。
茎の中ほどに付く葉は3裂。
花柄の基部にあるのは単葉。
両面とも無毛。
葉柄の基部と茎の様子。無毛で托葉などもないようです。
茎は直立し、株立ちになっています。
茎は細さの割りにけっこう強いようで、花が大きく重そうなのに強い風を受けても意外と倒れません。
(2017年4月上旬)
冬の間地上部は枯れてなくなりますが、新しい芽が出てきます。
(2017年4月中旬)
少し経った芽の様子。芽を包んでいた鱗片状のものの間から本葉が出てきました。
(2015年9月上旬)
熟した果実(袋果)の様子。