カキノキ Diospyros kaki
カキノキ科の落葉高木の花。
庭木や畑などの縁に植えられているのを見かけます。
あまり目立つ花ではないですが、光を浴びてちょっといい感じです。
カキノキには園芸品種によって雌雄同株のものと雌花しか咲かせないものがあるそうです。
今回載せている樹は自宅のもので渋柿なのですが、いくら探しても雄花は見当たらないので、雌花しかないタイプのようです。
果実は大昔はよくなっていたという記憶がなんとなくあるものの、一時いろいろあってもうダメかなっていうくらい弱ったりもして、でも最近はなんとか立て直し、ここ数年再び花を咲かせて果実もつけるようになっています。一昨年はたくさん果実が付いたものの台風で青いままほとんど落ちてしまいました。昨年は逆にさっぱりでしたが。
とはいえ、なんとかまた果実ができるようになって喜んでいたのですが、考えて見るとそれほど近い範囲によその柿の木がないにも関わらず、雌花しかないうちの樹がどうして果実を付けているんだろうと思いましたが、カキノキには単為結果性のあるものがけっこうあるらしいので、そういうことなのかもしれません。(大昔、よく実がなっていた頃はもしかしたら近くにカキノキがあったかもしれないですが。)
雌花の様子です。
雌花は萼が立派で花冠よりはるかに大きいです。花冠は4裂していて白~薄い黄白色ですが、外側より裂片の内側の方が少し色が濃いようです。
花柱は4つにわかれ、柱頭はさらにいくつかに裂けていますが、画像検索すると裂け方がいろいろあるようでした。そのへんは園芸品種の系統によるのかも。奥の方には退化した雄しべが見えます。
中には5裂のものもありました。
雌花は葉腋に一個ずつ付きます。
因みに雄花は葉腋に数個ずつ付き花(萼も)小さいようです。
花径は1.5cmくらい。
花の長さは2cm弱。
萼の筒部は半球形で微毛がある。白い点々はなんだろう。
蕾の様子。
4月下旬の様子。この頃は萼が閉じていてまだ蕾も見えませんでした。
若い葉の様子。
成葉になるともっと色濃くなります。
葉は主に楕円形。
葉先が傷んでいるものが多いですが、残っているものでは僅かに尖っている様子が見られました。
葉柄に毛が密生している。
葉裏も毛が密生している。
樹皮は灰褐色。縦に細かく裂けて剥がれたりしています。
遠目の写真では全く見えませんが、ほとんどの葉柄の基部に雌花がついています。
単為結果で出来た果実には種子がないようなので、本当にそういうことなのか、もし果実がなったら確認してみたいと思います。でも、たまたま頑張った昆虫がいて受粉していたりする可能性もあるかもしれませんが。