ナナカマド Sorbus commixta
バラ科の落葉高木。
タイトルはナナカマドとしていますが、変種のサビバナナカマド(var. rufoferruginea)の可能性も考えられます。
サビバナナカマドは小葉の裏(特に主脈沿い)に褐色の長い毛があり、萼筒や花柄にも褐色の毛があるもののようです。小葉裏の褐色の毛から「サビバ(錆葉)」。
ナナカマドの方は葉の両面とも無毛とされている場合と、無毛またはほぼ無毛という場合もあるようで、悩ましいところです。
ナナカマドは北海道や東北などではよく街路樹などにもなっているようですが、身近ではあまり見かけない気がします。
ナナカマドは雄しべは20本、雌しべは3~4本らしいですが、雄しべの数がこの写真の中央の花で17本、一つ上の写真はもっと少ないようだしさらに他の写真では10本のものもあります。
それがサビバナナカマドだからなのか、ナナカマドも実際には常に20本ってわけでもないものなのかは不明です。
花は8mmくらい。
萼は5裂し裂片は三角状。
萼には毛は見られませんが、花序内の柄に褐色の毛がありました。
葉は奇数羽状複葉。小葉は中ほどのものが一番長い。
葉先は尖り、葉縁は鋭い単鋸歯または重鋸歯。
葉軸には褐色の毛が生えている。
この写真で見ると小葉の表側は無毛にも見えますが、後に載せた秋の葉の様子からは僅かですが毛が確認できます。
裏側から見ると小葉のつくあたりに長い褐色の毛があります。
主脈沿い中心に褐色の毛があります。
あとに載せている秋に撮った葉の裏の様子の方ではもっと褐色の毛が目立ちます。
(2017年9月中旬)
さきほど書いた秋に撮った葉の表の様子ですが、これを見ると褐色ではないかもしれませんが毛が散生してるのが見えます。
(2017年9月中旬)
秋に撮った葉の裏の様子は、かなり褐色の毛が目立っています。
(2017年9月中旬)
一応、そのときの葉軸(裏側)の様子も。
(2017年9月中旬)
その時点であった冬芽の様子。どうせなら葉痕まで写る角度にすればよかった。
(2017年8月中旬)若い果実。
(2017年9月中旬)熟してきた果実。
(2017年9月下旬)
果実の色は赤いと説明されているのが普通ですし、実際そういう画像も多いですが、ここのものはオレンジ色。もっと後に赤くなるかと見ていましたがほとんど変わりませんでした。
(2017年9月中旬)
樹皮は横長の皮目がある。
といった感じなのですが、ナナカマドはにしては毛が多すぎるのかもしれないし、かといってサビバナナカマドにしては萼筒に毛が見られないことや、表側は無毛と書かれた情報もあり気になります。
もしナナカマドとサビバナナカマドの違いが毛の様子だけというのなら、例によってあまり分ける意味がない(変化が連続的とかで)場合もあるんじゃないかな~なんて思いますが、情報が少なくよくわかりません。品種でなく変種なのだから、他にも違いがあっても良さそうなんですが。
因みに、ナナカマドは秋の紅葉も綺麗で有名ですが、ここのものは環境的な問題と思いますが、いい感じに紅葉はしないようでした。