ツルグミ Elaeagnus glabra
崖状の海岸近くの林縁で咲いていたグミ科の植物。
「ツル」と名前にあるようにつる状に細い枝で他の植物にもたれるように被さり、時に垂れさがり茂っていますが、巻き付くタイプのつるではないようです。
花はまだ咲き始めたものがちらほら程度。(写真が撮れないような高い位置ではもう少し咲いているようでしたが。)
他のグミ仲間と同じで花弁はなく、萼筒の先は4つに裂けています。
萼筒はかなりほっそりしていて長さは6mmくらい、裂片の部分は3mm程度。
正面からみた径は4mmくらい。
4つの雄しべとそれよりちょっとだけ長い雌しべが見えています。
葉は互生し、表面は光沢がありました。
最初のうち葉の表面には銀色の鱗状毛があって、だんだん落ちてこのようになるようですが、写真の右の方にその残りらしきが見えます。
葉裏は赤褐色の鱗状毛が密生していて、錆びたように赤味を帯びて見えます。
葉裏の赤褐色の鱗状毛。
葉身は写真では先端が下に曲がっていますが、だいたい6cmちょっと。
幅は3cmくらいでした。
1cmない程度ですが、けっこうはっきりした葉柄。
ツルグミには、同じく秋に開花するナワシログミやオオバグミとの交雑種があり、ナワシログミとの交雑種はマルバツルグミ(ウラギンツルグミ)、オオバグミとの交雑種はアカバグミ(オオバツルグミ)と呼ばれるようです。(オオバグミの別名がマルバグミなのに、マルバツルグミというのはナワシログミとの交雑種というのはなんともややこしい・・・。)
グミ類はこれまで意識して見ていませんでしたが、また一つ見ることが出来て良かったと思います。
(追加画像)
(2018年4月下旬、8枚追加)
新葉が出てきています。
内側に巻いているせいもあって細く見えました。
全体に金色という感じ。
葉の表の銀色の鱗状毛は初めだけで後になくなるという説明を見かけますが、銀色と限定している意味がいまいちこれをみるとわからないところ。
長く伸びた枝。前年の葉が落ちて若葉だけになっている。
花はたくさん咲いていたわりにあまり果実はありませんでした。
まだ赤く色づいているものはなく若い果実ですが、長楕円形をしていて先端には花(萼)が残っていました。
萼が落ちていたものも。
果実は長さ1.8mmくらいでした。
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