ホソバアカザ Chenopodium stenophyllum
海岸の砂地で見かけたヒユ科の植物。
カワラアカザ(C. acuminatum var. vachelii)との見分けが少々難しいようです。
いくつか違いはあるようですが、特に明確な見分けのポイントは花序の軸の透明な管状毛(円柱状の毛)の有無で、カワラアカザには管状毛が密生、ホソバアカザは粉状物のみで管状毛はないそうです。
写真の様子では、粉状物だけでなく毛のような長いものも生えているようにも見えます。管状毛であるかどうかがわかりません。
一番明確な差とされているポイントのようですが、分かりづらいです。
上から見た全体像です。下部の方からもよく枝分かれし広がっています。
このアングルでは分かりづらいですが、中央の茎は直立していて枝の分岐する様子などはよく見かけるシロザ(C. album)と似た様子。草丈は50cmくらいでした。
ホソバと付くように葉の様子は全体的に細く、披針形。
色づき具合などもシロザと似ていますが、シロザの葉は上部などを除けば普通は幅があり鋸歯が目立ちます。
また、葉の質もシロザのような薄いものでなく、厚みがあります。(追記:シロザも海岸や河川沿いなど環境によっては厚い葉をしたものがあるようです。)
葉の縁には目立たない鋸歯がいくつかあります。(カワラアカザは全縁だそうです。)
中には全縁のものもあります・・・のつもりで撮った葉でしたが、あらためて見たら先端の方にちょっとあるようでした。
葉の長さは測ったものでこのくらい。
葉先はこの写真で定規が当たっているものはけっこう尖っていますが、その葉に被って写っている葉は先が丸いようです。
葉表の様子。
葉裏には粉状粒がありますが、そう多くはありませんでした。
また、あまり葉表との色の差も感じませんでした。差があるのが普通なのかもしれません。
葉表でも若い葉には粒々が疎らにありました。
花は雄しべ5と雌しべは柱頭2。
そういえば、カワラアカザとは花期は被る期間もありますが、カワラアカザは5~10月といったように、夏から秋にかけて咲くとされているようです。一方ホソバアカザは9~11月と秋のみとされています。その点でも今回見たものはホソバアカザと一致するようです。(まだ咲いていない株はあったものの、咲き終えたようなものはないので。)
花序の枝は短くあまり開かずに穂状に集まっています。ところどころに苞葉が付きます。
シロザの花序は枝が横に広がり花付きがもう少し疎らに見えます。
カワラアカザの花序がどうなのかは、検索しても本当にカワラアカザと思える情報とともに載せてある画像が見つけられていないのでわかりません。
茎には条があり赤味を帯びています。
株元の様子。よく分岐しています。
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