Familiar Flowers 2

身近で咲く花たち。

ミヤギノハギ Lespedeza thunbergii ssp. thunbergii f. thunbergii

花の写真

よく公園や庭などに植えられているマメ科ハギ属の一つ。

 

全体像

地面から細い枝を何本も出し大株になります。枝は長く伸び分岐し弓なりに枝垂れます。地面があるところでは枝先が着地してもそのままさらに伸びるほどよく生育します。(公園などではその伸び過ぎた部分は刈られていることもあります。)

冬には地上部が枯れます。

 

花の様子

花はハギ仲間では大きい方で見映えします。

旗弁は反り返り、竜骨弁の長さが印象的。

 

花序

花序は総状花序で、同じ基部につく葉よりあきらかに長い。

 

花の大きさ

花の長さは萼筒~竜骨弁の先端で1.5cmくらい。旗弁が強く反り返っているので、全体的な大きさは2cmほど。

 

萼の様子

萼筒の先は4裂。筒部は短く裂片(萼歯)は筒部よりだいぶ長い。伏した毛が見えます。

 

葉の様子

葉は3出複葉。小葉の幅の広い部分のバランスは個体差ありますが、だいたい長楕円形といった感じの細身の様子で、先が尖ります。

 

葉表1

葉表2

基部寄りの主脈上を中心に少々毛が確認できますが、花期の葉表はほぼ無毛。

 

葉裏の様子

葉裏は伏した白い毛が多く生えています。

 

葉柄基部

葉柄基部に線形の托葉があります。枝に伏した毛が密生しています。(中間~下部の方では木質化しています。)

 

花後の花軸

花後に果実になっているものは少なくて、ほとんどが落ちてしまっているようです。

ミヤギノハギとはそういうものなのか、それとも自家不和合性の問題なのか、その辺の理由はわかりません。

 

若い果実1

若い果実2

いくつかあった若い果実。果実は豆果で中に種子が一つのようです。

定規を当てた写真はありませんが、長さは1cmくらいでした。

学名的にはケハギの方が亜種(ssp. patens)になっているようですが、ミヤギノハギはケハギを元に作られた選抜品種とも、雑種とも考えられているようです。(諸説あるようですが。)

また名前に「ミヤギノ(宮城野)」と地名が付きますが、産地というわけでもないようで、花が綺麗なことから、萩が綺麗で有名だった宮城野という地名を拝借したという説もあるようですが、はっきりしたことは分からないようです。

なんだか謎が多い花です(笑)

 

(追加画像)

着地した先で咲く花

(9月下旬)

植わっている位置は20cmほど高いですが、それでもなお伸びて地を這うように花を咲かせています。

 

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