サネカズラ Kadsura japonica
河口付近の林縁で見かけたマツブサ科の常緑つる植物(木本)。
厚みを感じる花被片はクリーム色をしていて、ちょっと気品を感じる花。(画像検索するとかなり黄色味の強い花もあるようです。)
雌雄異株(または同株)で、この写真の花は雄花。赤く見えるのは雄しべの集まり。
上の方に写っている球状のものは蕾です。
こちらは雌花。雌花は中心に雌しべが集まっています。
同じ場所で両方の花がありましたが、同じ株に咲いていたのか、たまたま同じ場所に雄株と雌株があったのかは不明。
花被片は花を後ろから見たときにある小さなものを入れると12枚前後?数にはバラつきがあるようです。
花径は1.5cmくらい。測り方によっては2.0cmあるかも。
小さいといえば小さい花ですが、大きさの割りに見ごたえあります。
これだけ葉があれば適当に撮ってもピントが合っているだろうと思って確認しなかったところ、合ってませんでした(苦笑)。
葉は艶があり、縁には疎らに小さな鋸歯があります。少々波打っているものもあるようでした。
葉の付き方は互生。短い葉柄があり、葉表は無毛。
大きめかなと思う葉を測って葉身は11cmくらいでした。(写真では葉が反っているので10cmという感じですが。)
葉裏も無毛です。
樹皮の様子。
別名には「ビナンカズラ(美男葛)」という名もあり、その昔は樹皮を剥いで採った粘液を整髪料として用いていたというのがその由来だそうです。
若い果実の様子。
(2016年11月下旬)
樹木などに絡みついてだいぶ高い位置で果実をつけているもの。
(2016年12月上旬)
果実は11月頃から赤く熟しますが、球状に集まった様子が可愛らしいので、園芸植物として栽培されていることもあるようです。
サネカズラという名前の由来は、古名から転じたものという説もあるようですが、漢字で「実葛」と書くように、果実の目立つ(綺麗な)葛というのが一般的なようです。(漢字が当てられたのが後だとしたら違ってくるかもしれませんが。)
属名の「Kadsura」は、日本語の「かずら」から来ているようです。属名が日本語由来のものは他に「Akebia(アケビ属)」などありますが、珍しい付け方です。
(追加画像)
(10月上旬、以下2枚追加)
綺麗に色づいた果実。
果実の径は大きいもので8mmくらい。