ヤマウルシ Toxicodendron trichocarpum
林内や縁に見られるウルシ科の樹木。
いつも花の時期に書いてきましたが、この写真は花ではなく果実です。
ブログ開始から1年以上経過し、あらたな花も少なくなってきたので、花の様子を撮れていないものでも載せることにしました。
果実は核果で熟すと刺毛のある外果皮が割れ、白いロウ質の中果皮が出てきます。
中果皮には縦の筋がある。
形は少し扁平な形。
幅は4mmくらいでした。
この写真を撮るとき、柄から取り外して撮ろうと思ったのですが、ちょっと力を入れた程度では取れず「まだ落ちるときではない」といった感じで、しっかりとくっついていたのでそのまま撮りました。
5月下旬の様子。
ここにヤマウルシがあると気づいていれば、花の写真を撮れていたのですが、気づいたときにはすでに花弁はなく、柱頭3の膨らんだ子房の雌しべと落ちかけている仮雄しべがあるといった状態になっていました。(雄花の様子を下の方に追加しました。)
ちなみに雌雄異株です。
6月上旬の若い果実の様子。
写真では分かりづらいですが、左の方にある幹からひょろひょろと枝が何本も伸びていてそのうちの一つの枝先の様子です。
見ている位置の方が高いのですが、樹高はだいたいの印象では2.5mくらいかなという感じでした。
葉は奇数羽状複葉で7対くらいが多いようでしたが、4~8対くらいとされているようです。
基部よりの葉の方が小さく丸い葉になる特徴があります。
成木の葉は前縁ですが、幼木の小葉には鋸歯があります。
あまりよく写りませんが、かなり細い軟毛かと思いますが、葉の表は有毛で柔らかい質感をしています。
裏面も有毛。
葉軸は赤味があり、やはり軟毛が生えています。
葉の縁にも毛が見えます。
(2015年11月上旬)
別な場所でのヤマウルシ。
もうちょっといい色にもなるのでしょうけど過去の写真から紅葉の様子。
(2015年11月上旬)
ここのものは側小葉が5対くらい。
(2015年11月上旬)
ここのヤマウルシも撮りやすい場所だったのでここで撮るつもりでいたのが昨年伐採されてしまったので今年は見ることができませんでした。
とはいえまた別な撮りやすい場所でも見ることができたので、また花の様子などよく見てみたいと思います。
(2018年5月上旬、以下3枚)雄花の様子。
花片5枚はくるりと外に巻いて、雄しべ5本は長く飛び出しています。
中心に退化した雌しべが見えます。
花序の軸や小花柄など毛が密生してます。
花序は葉腋から出て垂れ下がります。
(5月中旬、2枚追加)雌花花序。
花弁は反り返り、花弁と花弁の間に白っぽくて小さな退化した雄しべが見えます。
子房には毛があり、花柱が長く柱頭は3裂しています。
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