ギシギシ Rumex japonicus
道端の草地に見かけるタデ科の花。
大きな草姿で丈は1mほどにもなる。
同じ株内に両性花と雌性花があり、この写真は両性花。
あまり開いていない状態ですが、花被片は小さい外花被片が3つと大きい内花被片3つ。
淡い黄色の葯がぶら下がっているのが見えていますが、雄しべは6つ。
雌しべは3つで内花被片の隙間から細かく裂けた柱頭が出ているのが見えます。
こちらは雌性花。両性花よりやや小型で内花被片の間からやはり細かく裂けた柱頭が出ています。
花序の間にある小さな葉は、細く縁はほとんど波打つ様子がないものが多い。
中間の葉。大きく波打っています。
やや下の方の葉。
似た仲間のナガバギシギシと比べると幅が広い。
葉の表の様子。無毛です。
葉裏の様子。基本的に無毛ですが、葉脈沿いに毛があるものもあるとか。
似た仲間のエゾノギシギシは葉脈に突起状の毛があります。
葉の縁は細かく縮れるように波打っています。
ナガバギシギシのそれの方がより細かいかもしれませんが、分かりづらい差に思います。
花後の内花被片3枚は大きくなり果実を包みます。
内花被片の幅が広く先が少し尖る傾向があり、縁に細かい鋸歯があるというのがギシギシの特徴。
また内花被片の瘤体は3つともよく発達し、ほぼ同じ大きさをしているのも特徴。
この時期、あちこちの草刈り前の草地で見かけるギシギシ仲間ですが、それぞれは主に内花被片の様子などで見分けられます。ただ交雑種もあるし、特に似ているナガバギシギシとは「あれ?」と思う感じのものもあったりします。交雑種が比較的よく見られるとされる他の植物でもそうですが、あやしいものは全て交雑種とするというのもどうかと思うし、かといってどこまでを個体差と見るかというのも難しいし、一般的な観察では判りようがないところなので、考えすぎても意味がないというかしょうがないところもあります。
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