Familiar Flowers 2

身近で咲く花たち。

ウシオツメクサかウシオハナツメクサか。

(内容はほぼ変わりませんが、文章の配置など少々修正しました。2017/05/11)

花の写真1

昨年はじめて咲いていることに気づいた可愛らしい花。

ウシオツメクサ(Spergularia marina)とウシオハナツメクサ(S. bocconi)とでまだ絞れていません。もう一つ似た花でウスベニツメクサ(S. rubra)がありますが、花弁の色と雄しべの数、そして腺毛の様子や托葉の様子が違うようで除きました。

ウシオツメクサとウシオハナツメクサに関しては情報が混乱しているような部分もあるようで、どうもどちらとも決め手が得られません。

 

全体像1

全体像2

一般に海や河口付近で見られるようですが、場所は河口からはちょっと離れた川岸です。ただ汽水域なので海が満潮で川が逆流したときに流されてきたのかなと思います。

 

浸水している

護岸はしてあるけど低いので、増水すると浸水するような場所。

 

花径

花径は8mmくらい。ウシオハナツメクサの萼は5~6mmという情報もあるようなので、その点でもウシオツメクサの方だろうと思います。

でも、萼片や萼でなく花の大きさが知りたいところです。

ウシオハナツメクサには「ハナ」とつくことや、別名がオオウシオツメクサらしいので、花がウシオハナツメクサの方が大きいのではと想像しますが、萼の情報からは逆のような感じ。萼片より花弁が長いということならわかりますすが、学名などで画像検索しても、そのような様子の花は見当たらないようです。

 

花の様子1

花弁の基部あたりは白くそこから先端に向かって淡紅色。

ウシオツメクサは白か先の方だけ淡紅色で、ウシオハナツメクサは基部だけ白いということらしく、そこを考えると、ウシオハナツメクサということになってきます。

 

花の様子2

雄しべは見た感じではたいてい3つで、多いもので4でした。

雄しべの数は両者とも少ないようなので、なんとも微妙です。

自家受粉しようとしている段階なのか雌しべに雄しべが寄ってます。

 

雌しべ

雌しべの柱頭は3つに分かれる。

 

萼片の様子1

萼片の様子2

萼片に腺毛が生えています。

腺毛の密度を考えると、ウシオツメクサのように思います。ただ、下に追加画像がありますが、このときのほぼ最初の花と思われるときよりも、後の方が密度は上がっているようです。

 

葉の様子

葉は対生し長いもので2cmくらいでした、厚みがあります。

 

托葉1

托葉2

筒状の托葉。茎や葉は上部以外では無毛。

托葉の様子からもウシオツメクサのような気がします。また、下部では腺毛がない点もウシオツメクサの感じだと思います。

 

萼片の基部の黒い点

萼片の基部付近に黒い点がある。

 

花の写真2

といった感じですが、 

 

以下2枚は昨年の同じ場所の花(2016年6月)

花の写真3

葯が見えるのは2つですが、未熟な感じの雄しべの痕跡らしきもあります。

腺毛も少し多いような。

 

茎や葉の腺毛

茎や葉にもあきらかに腺毛が目立ちます・・・。どういうことなのか。

(下に今シーズンのその後の様子の追加画像有り)

 

なんともややこしいですが、種小名が違うのだから、両者を見比べたら実際にはそんなに見分けは難しくないんじゃないのかなと思うんですが・・・。

今回の花を一旦ウシオツメクサとして、どこかでこれぞウシオハナツメクサと思えるような別の感じを持ったものに出会えたらいいのですが、現時点では答えは出せそうにないです。

 

(追加画像)

全体像

花の写真

下部の茎や葉の様子

(ここまで3枚、4月下旬の様子です)

だいぶ花が増えてました。腺毛は少し密度があがっているような感じもします。下部には腺毛なし。

 

花の写真

(5月中旬、以下11枚追加)

 

中間~上部の茎や葉

腺毛がある茎や葉が増えているようでした。

結局のところ、初めの花が咲き始めた以降に伸びた茎や葉には腺毛があるということかも。

 

茎や葉の様子1

茎や葉の様子2

茎や葉の様子3

あとから咲いた萼片や伸びた部分には腺毛があるというノミノツヅリにもあった状況に似ているような。

 

中間から下の茎や葉の様子

下部の茎や葉の様子

中間~下部では相変わらず腺毛はないようです。

 

果実

果実の様子。

 

裂開した果実

裂開した果実の様子。

 

種子の様子1

種子の様子。突起があるのは分かるにしても、どこにどの程度あるかなど、小さいので細部までなかなか写りません。

 

種子の大きさ

種子はかなり小さく、0.5mmほど。