コヤブタバコ Carpesium cernuum
林の中などで俯き咲く花。多数の苞葉が印象的。
舌状花(いわゆる花びら)が無く、白いのは総苞内片なのですが、もし花弁状に大きく発達したら、かなり綺麗な気がします。なくてもなんだか可愛らしいんですが。
葉は軟毛が生えていて、ふわふわと柔らかい質感の葉です。
縁には不揃いの低い鋸歯があります。
茎は丸くやはり軟毛が生えている。
根生葉は花期にはないとされますが、ありました。(ちゃんと確認してなかったのですが、別の個体が重なっているのでしょうか) (確認しました: 別々でした。おそらく同じ根から出たものとは思いますが。ページ後半に追加画像有)
また、緑の茎は現在の茎ですが、そのすぐ傍に見える枯れた茎は同株の昨年度の茎と思われますが、いまだに直立していました。
さらには結実した痩果もそのまま残っていました。(写真のものだけでなく各枝ごとにほとんどそのまま残っていました。)
ということで痩果の様子も。
名前の由来はタバコの葉に似ているということから名がついたヤブタバコという植物があり、それより葉が小さいということらしいです。花はコヤブタバコの方がずっと大きいのですが。
いろいろとこの仲間は名前が紛らわしく、よく頭の中で混乱します(笑)
たとえば、コヤブタバコとヤブタバコは名前が近いですが似ておらず、むしろサジガンクビソウと似ています。
ところがガンクビソウとサジガンクビソウは似ておらず、ガンクビソウはヤブタバコと似た花をしています。
また名前の由来も、ガンクビ(雁首)というのは、煙管(キセル)の先端の火をつける部分の名称「雁首」から来たものなので、どちらも煙草に関連していることになりますが、片方はキセルから、もう片方は葉っぱの様子からということになっていて、なんともややこしい話です。(苦笑)
(追加)
別の場所から出ていたようです。
とはいえ、根生葉が残っているものもありました。一番最初の花が咲くくらいまではギリギリ残っていることもあるようです。(この写真でも活きのいい濃い緑をした葉は別の位置から出ているものです。)
歩道に生えていたもの。奥の方に見えるものが完全でもないですが、ほぼ枯れているといえる。
ということで、やはり花期真っ最中には普通に枯れて無くなっているものなのでしょう。
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